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「若者の本離れ」って本当?Z世代の読書事情を調査!

普段から読書を楽しんでいるZ世代は、一体どのくらいいるのでしょうか?MERYで行ったユーザーアンケートを基に、Z世代のリアルな読書事情に迫ります!また、彼らが実際に手に取ったおすすめの1冊にも注目です。

更新 2023.10.23 公開日 2023.05.10
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紙派?好きな作品は?Z世代のリアルな読書事情

上を向いている女の子

ここ近年、たびたび耳にするのが「若者の本離れ」という言葉。

実際のところはどうなのかを調査するべく、MERYではZ世代ユーザーに向けて読書にまつわるアンケートを実施!

普段から読書をする人の割合をはじめ、紙派orアプリ派なのか、どんな本を読んでいるのかなど、Z世代の読書事情を深掘りしていきます。

※2023年3月に実施した「MERYユーザーアンケート」Z世代15人の調査結果に基づく

普段、小説やエッセイは本で読むorアプリで読む?

「普段小説やエッセイは本で読みますか?アプリで読みますか?それとも読みませんか?」と質問してみたところ、73.3%の人が「本で読む」、6.7%の人が「アプリで読む」と答え、紙派が全体の7割に。

デジタルネイティブと称されるZ世代でも、小説やエッセイを読む際は紙の本を好むようです。

また、「読まない」と答えた人は20%で、日頃から読書を楽しんでいるという人は全体の8割を超えました。

スマホやタブレットなどに触れる機会が多いZ世代だからこそ、あえて紙の本で読書をするという時間が有意義に感じるのかもしれません。

Z世代MERYユーザーおすすめの1冊&推しポイント

読書を楽しんでいるZ世代が一定数いるとわかったところで、ここからはMERYユーザーのおすすめの本をいくつかご紹介します。

Z世代目線の推しポイントもぜひお見逃しなく!

「日向坂46」元メンバーの小説家デビュー作『きらきらし』

きらきらし出典amzn.asia

“大好きな推しの作品”としておすすめされていたのが、女性アイドルグループ『日向坂46』の元メンバー・宮田愛萌さんによる初の小説集『きらきらし』。

宮田さんが大好きな万葉集からインスピレーションを受けた5つの物語、さらに万葉の都・奈良の旅を撮影した写真などを詰め込んだ、まるで小説と写真集をひとつにしたような作品です。

ここ近年は、「BiSH(ビッシュ)」のモモコグミカンパニーさんや「SEKAI NO OWARI」のSaoriさんなど、アイドルやアーティストが小説家デビューする例が珍しくなく、今後、Z世代に人気の推したちからどんどん話題作が誕生するかもしれません。

司書の資格を持っていて、万葉集が大好きな元アイドルが書いた小説集。小説集でもあり、写真集でもあるかのような本で、2度楽しめます。(24歳・会社員)

音楽ユニット「YOASOBI」と直木賞作家がコラボ!『はじめての』

はじめての出典amzn.asia

音楽系つながりで言うと、小説をテーマにした楽曲で、若者をはじめ多くのファンを魅了している音楽ユニット「YOASOBI(ヨアソビ)」と、4人の直木賞作家がコラボした作品『はじめての』が挙がっていました。

“YOASOBIさんコラボということで手に取ったけれど、不思議な世界観に引き込まれた”というコメントのように、Z世代の身近な存在と小説を掛け合わせることは、彼らが文学に触れる機会を増やすための有効な手段となりえそうです。

YOASOBIさんコラボということで手に取ったけれど、どの短編もとても深いお話でした。不思議な世界観に引き込まれました。(22歳・大学生/大学院生)

2023年「本屋大賞」に選ばれた『汝、星のごとく』

汝、星のごとく出典amzn.asia

2023年の「本屋大賞」を受賞した凪良ゆうさん著の『汝、星のごとく』もおすすめの1冊としてピックアップされていました。

内容は、風光明媚な瀬戸内の島で育った高校生の暁海と、自由奔放な母親の恋愛に振り回され島へと転校してきた櫂の2人が、惹かれ合ったりすれ違ったりしながら成長していくというもの。

選んだユーザーからは、“主人公の年齢が近くて物語に入り込みやすい”とのコメントが寄せられ、等身大と感じられる作品かどうかもZ世代にとっては重要そうです。

主人公が高校生から大人になるまでのできごとを主に描いているので、年齢が近くて入り込みやすい。とにかく感動する。(19歳・大学生/大学院生)

表紙買い派の心を射止めた『マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ』

マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ出典amzn.asia

「かわいい表紙に惹かれて手に取った」と紹介されていたのが、古内一絵さん著の『マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ』です。

この作品は、元エリートサラリーマン、今はド派手なドラァグクイーンのシャールが営む夜食カフェ「マカン・マラン」と、そこへ集まってきたさまざまな悩みを持つ客とのストーリーを描いたもの。

映え重視なZ世代は、本も“表紙買い”する派が多いのかもしれません。

最初は可愛い表紙に惹かれました。しかし読んでみると、ただ料理を作るだけでストーリーが進むのではなく、出てくる登場人物それぞれが抱える問題を食べ物を絡めて解決していく人間模様がとっても素敵でした。(19歳・大学生/大学院生)

口語ver.の短歌がエモくておもしろい『あなたのための短歌集』

あなたのための短歌集出典amzn.asia

ユーザーから“口語で書かれた短歌がエモくて、スルスル読める”と紹介されていたのが、歌人の木下龍也さん著の『あなたのための短歌集』です。

こちらの作品は、木下さんが依頼者からの想い(お題)と向き合いながら作歌した100首を収めた、少し珍しいタイプの短歌集になっています。

昔ながらの文化やモノを現代風にアレンジされたものは、Z世代にとって親しみやすさが増し、エモい存在として魅力的に映りやすいようです。

口語で書かれた短歌が、どれもおもしろくてエモくて、それでいて古典から受け継がれる日本らしさみたいなものも感じられてすごくいい本です。短歌って今で言うTwitterとかnoteみたいな表現の手段なのかなって思えました。文字数が少ないので疲れていてもスルスル読めます。(25歳・公務員)

憧れブランドの生みの親が残した名言集『ココ・シャネルの言葉』

ココ・シャネルの言葉出典amzn.asia

エッセイに近いもので言うと、多くの女性から憧れられるブランド『CHANEL(シャネル)』の生みの親の名言などを集めた『ココ・シャネルの言葉』が選ばれていました。

本の中には、“香水で仕上げをしない女に未来はない”“醜さは許せるけどだらしなさは許せない”など、働く女性の先駆者であるココ・シャネルの情熱を感じられるような言葉たちが詰まっています。

Z世代にとっての憧れの存在の人となりや生き様を知れる本というのは、彼らにとって影響力を持つ1冊となりえそうです。

シャネルが大好きでこの本を見つけて読んでみたら更に自分磨きに力を入れたくなるような、誰からも憧れる存在になるような言葉ばかりでとても良かったです。(25歳・パート/アルバイト/フリーター)

Z世代は、推し・親近感・エモさで本を選ぶ

今回のアンケートでは、Z世代ユーザーの多くが日常的に読書を楽しんでいることが伺え、Z世代においては“本離れしているとは言い難い”と考えられそうです。

そして、おすすめされていた本を見比べてみて感じたのは、若者人気の高い有名人に関連するもの、等身大で親近感のある設定、エモさを感じる内容といった要素は、Z世代ウケしやすいという点。

また、話題作や有名作家の作品を手に取るのではなく、“自分が興味を惹かれたかどうか”を重視して本選びをしている傾向にあるようでした。

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