“断りメール”って言葉選びや配慮が大切だからこそ、作り方が難しい
ビジネスシーンで上司や取引先に、就活で会社や内定先に“断りメール”を送らなければいけない時、気まずさもあってどんな文面にしようかとても悩んでしまいますよね。
そこで今回は、断りメールの作り方や文章選びのポイント、状況別の文例などを紹介していきたいと思います。
今までは断りメールを送りづらかったという人も、ポイントをきちんと押さえれば相手を不快にさせることなく、自分の気持ちや意思を伝えられるようになるはずです◎
嫌な印象を与えない断りメールの作り方
相手へ配慮した断りメールを作るには、基本の流れとポイントを押さえることが大切です。ビジネスメールのルールと共通する部分もある基本のため、確実に押さえておきましょう!
断りメールの基本の流れ
断りメールは『件名』に加え、下記の要素で本文を構成するのが基本です。
・あいさつ
・申し出に対するお礼
・断りの言葉と理由
・おわびや気遣い
・結びの言葉
あいさつは日ごろからやりとりしているのなら『いつもお世話になっております』でOKです。ここに申し出や提案のお礼を記載します。
次に断りの言葉を書き入れます。あいまいな言葉で濁さずはっきり意思表示することが大切ですよ。なぜ断ることになったのか、理由も書き添えます。
『自社の都合で申し訳ありません』といった言葉があると、気遣いが伝わっていいですね。加えて次回につなげたい間柄であれば、次回につながるような結びの言葉も添えるとさらにgood!
押さえておくべきポイント
はっきり意思を伝えつつ、相手への配慮も怠らない断りメールにするにはポイントがあります。まずは相手に断りメールであることが伝わるよう『結論をはっきり』させましょう!
あいまいな言葉では「結局どういう意味なんだろう?」と思われてしまいますし、自社の都合を書き連ねている内容では「条件を満たせば採用してもらえるのかも」と期待を持たせてしまいますよね。
ただし『言い回し』には注意してくださいね。柔らかな印象の表現で伝えられると◎。『今回は見送らせていただきます』『辞退させていただきます』といった表現なら問題ありません。
また要件を伝えた後には『感謝』や『気遣い』の言葉をプラスしましょう!
角の立たない言葉選びを意識しよう
メールを受け取った相手に嫌な印象を与えないためには、角の立たない言葉を意識するといいですよ。否定的な言葉や断定的な表現は相手に「キツい」と受け取られてしまうかも…。角の立たない言葉選びに役立つフレーズをチェックしましょう!
否定的な言葉は言い換えるのが正解
断りメールははっきりと意思を伝えることが大切です。しかし『お断りします』『~できません』など否定的な言葉を直接使うと、キツい印象を与えてしまいます。印象の和らぐ言葉への言い換えが◎。
例えば『お断りします』なら『遠慮させていただきます』『ご要望に沿いかねます』などと言い換えるといいですね。断りメールとはっきり伝えつつ、柔らかく表現できます。
同じように『~できません』は、『~いたしかねます』『~できかねます』などと言い換え可能ですよ。丁寧さもプラスできる言葉のチョイスです。
クッション言葉を覚えておこう
ストレートに伝えるとキツい印象を与える表現には、言葉の印象を和らげる『クッション言葉』も使ってくださいね。相手の気持ちや心情に配慮していることが伝わる表現です。
『遠慮させたいただきます』だけでも『お断りします』より、角の取れた丸い印象の言い回しです。ここへクッション言葉をプラスし『あいにくですが、遠慮させていただきます』とすると、さらに丁寧に表現できて◎。
他にも『せっかくですが』『残念ながら』なども使えますよ。「断るのは残念なのですが」という気持ちを込められる言葉です。
結びの言葉で柔らかな印象を与える
今回は事情によって断らなければいけないけれど、お付き合い自体は今後も継続したい相手もいますよね。そのような相手への断りメールでは『結びの言葉』を工夫しましょう!
次の機会につなげられるよう、「今後も良好な関係を続けていきたい」という意思が伝わる一文をプラスするといいですよ。
・今回はご期待に沿えませんでしたが、次の機会をお待ちしております
・タイミングが悪く今月は難しいのですが、来月でしたらお引き受けできます
・残念な結果で申し訳ありませんが、次回のご提案を楽しみにしております
他にも、『またの機会がございましたら』や『今後ともよろしくお願いいたします』などの言い回しでも、次へつなげられる表現です。
断りメールの文例を状況別にチェック
同じ断りメールでも、送信先が違えば注意すべきポイントも変わりますよね。相手ごとに異なる断りメールの例文をチェックしましょう!メール作成時の参考になるはずです。
取引先への断りメール
取引先への断りメールでは、否定的な言葉の言い換えやクッション言葉の使用に特に注意しましょう!できる限り柔らかい印象の表現を心掛けます。
『大変お世話になっております。株式会社〇〇の△△です。この度は□□の件でご提案いただき、誠にありがとうございます。弊社で慎重に検討を重ねた結果、残念ながら今回は見送らせていただくこととなりました。
またの機会がございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。貴社のますますのご活躍をお祈り申し上げます。』
例文では『またの機会がございましたら』を使用しています。この言い回しを使うのは、今後も関係を維持したい相手のみです。次回を考えていない場合には使いません。
社内用の断りメール
社内でも上司や先輩宛てに断りメールを出さなければいけないシーンがありますよね。例えば会議やイベントの出欠を取るメールが届いたときには、下記のようにメールを送ればOKです。
『お疲れ様です。〇〇です。△△についてご連絡いただき、ありがとうございます。残念ながら当日は都合が悪く出席できません。次の機会にはぜひ参加させていただきたいと思います。この度は参加できず申し訳ありません。』
また会議に欠席する断りメールであれば、内容を議事録で確認することや、後日内容の共有が可能か確認するといいですね。意欲はあるけれど、やむを得ない理由によって参加できないことを伝えられます。
自分が断りメールを受け取ったときは?
相手からの提案や申し出を断るだけでなく、自分の提案を断られることもあるはず。断りメールだからといって、そのまま放置はNGです!不本意な結果だったとしても、きちんと対応するのが社会人のマナーです。
断られたとしても返信をするのがマナー
断りメールを受け取ったときこそ、誠意ある返信をしましょう!依頼を断るにはそれなりの理由があるはずです。相手の都合もあることを理解し、断りメールを『承諾しました』という内容の返信をします。
その際『承知いたしました』や『かしこまりました』などのフレーズを使うと丁寧で◎。「次はできる限り提案に応えられるようにしよう」と思ってもらえるよう、好印象の言い回しができるといいですね。
断りメールへの返信の文例
あなたが断りメールを送るときに「心苦しい」と感じるなら、相手も同じように感じているはず。相手の気持ちを和らげるために、できる限りプラスの言葉をチョイスしましょう!
『お世話になっております。株式会社〇〇の△△です。この度は〇〇の提案をご検討いただき、誠にありがとうございました。今回は見送られる決定とのこと、承知いたしました。
いただいたご意見を参考に、精進を重ねて参りたいと考えております。またご提案の機会がございましたら、何卒よろしくお願いいたします。お忙しい中時間を割いていただいたこと、重ねてお礼申し上げます。』
断りメールを確認し承知したことの他に、今後につながる言葉をプラスすると、次の機会を作りやすいはずです。
就活で使える断りメールの送り方
就活中にも断りメールを送らなければいけないシーンがありますよね。例えば内定を辞退するときが代表的です。失礼にならない断りメールの送り方や、不採用メールへの対応について確認しましょう!
内定辞退のマナーや例文
企業の内定を辞退するときには、できるだけ早いタイミングで連絡すると◎。また辞退の連絡は電話でするのが基本です。電話をしたときに担当者が不在の場合、断りメールを送ります。
『お世話になっております。〇〇です。先ほどお電話でご連絡させていただきましたが、面接中とのことでしたのでメールで失礼いたします。この度は内定通知をいただき、誠にありがとうございました。
大変うれしいお知らせをいただきながら恐縮なのですが、内定を辞退させていただきたく、ご連絡をさしあげました。貴重なお時間を割いていただいたにもかかわらず、このようなお返事となりましたこと、心よりおわび申し上げます。』
不採用のメールへの返信は必要か
不採用メールへの返信は基本的に『不要』です。企業からの通知で既にやりとりは終了しているため、返信しないからといって失礼にはなりません。
ただし返信がNGというわけではないため、インターンでお世話になった、最終面接まで残った、再応募が可能で検討しているなど、特別に思い入れがある企業なら返信するのもいいですね。
『いつもお世話になっております。〇〇です。この度は選考結果のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。残念ながら私の力不足で不採用という結果ではありましたが、△△様にはインターンから大変お世話になりました。
今回の経験を生かし、引き続き就職活動に励みたいと思います。』
よい関係を築ける断りメールにしよう
送るのを心苦しく感じることもある断りメールですが、表現次第では柔らかな印象を与えることも可能ですよ。例えば、否定的な言葉を言い換えたり、クッション言葉を活用したりすると◎。
また感謝の言葉をプラスすることや、結びの言葉で次回につなげるのもいいですね。相手を気遣う断りメールなら、きっとよりよい関係を築けるはず!
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