メール書き出しのマナーって?
メールって、どんなふうに書き出せば良いの?
友達にメッセージを送るノリじゃまずいのはわかるけど、学校の授業で習ったわけでもないし。
とはいえメールは、ビジネスはもちろんのこと、ボランティア活動やふだんあまり連絡を取らない知人や企業と連絡を取るのに欠かせない、コミュニケーションツール。
スタンプなどもなく、ほぼテキストだけのやり取りなので、直接会うとき以上にビジネスマナーを守る必要があります。
まずは、メールの第一印象を決める書き出しについて、正しいマナーを確認しておきましょう!
「拝啓」や「謹啓」などの前文は省く
相手に文章で用件を伝えるのは手紙と同じですが、『拝啓』や『謹啓』などの始めの言葉や、季節のあいさつは省略するのが一般的です。
季節の移り変わりや相手の健康を伺うのは、一見するとマナーが良いように思えますよね。
しかし、ビジネスでは用件をなるべく簡潔に伝えることの方が重要なので、避けた方が無難ですよ。
宛名は社名・役職・名前の順番で
メールには、誰宛てに送られたメールかが一目でわかるように、最初に宛名を入れます。
一つのメールアドレスを複数で共有していたり、CCやBCCで複数の人に同じメールを送ったりする場合でも、必要な人にメールを読んでもらうためです。
宛名の順番は社名・役職・名前で、名前の最後には必ず『様』を付けてくださいね。
相手の役職がわからない場合は、社名と名前のみで問題ありません。
複数の人にメールする場合は、氏名を横並びか、縦並びで記載します。
このとき、役職が上の人が先になるよう配慮しましょう!
本文の書き出しは「あいさつ+自己紹介」
本文の書き出しは、簡潔なあいさつから始まります。
その後に、メールを送ったのが誰かわかるように、自分の名前を入れましょう!
短時間で何度もメールをやり取りしている場合は、メールのたびにあいさつや自己紹介を入れる必要はありません。
2回目以降は本文から書き出してOKです。
ただし、後から見返しても誰からのメールかわかるよう、送信者の名前や連絡先などをまとめた『署名』を、毎回のメールの最後に入れておくのが無難です。
これはほとんどのメールソフトに『署名』機能が搭載されているので、これを事前に登録しておくと便利。
書き出しのあいさつは関係性で使い分ける
メールの書き出しに使うあいさつは、相手と自分の関係性によって変わってきます。
状況によってもバリエーションがあるので、基本的な言い回しを覚えておくと便利ですよ。
社外の人・社外の人・面識のない相手・久しぶりに連絡する相手に対して、それぞれどんなあいさつをするか確認してみましょう!
社外の人なら「お世話になっております」
自分の所属する企業や団体の外の人に対しては、個人間でのやりとりや組織間でのやりとりを踏まえ、「いつもお世話になっております」「平素より大変お世話になっております」と書き出すのが基本です。
応用編として、自社商品を納品しているお客様であれば、「日頃よりご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます」とするのもよいでしょう。
かしこまった言い回しが必要な場合は、「平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます」もおすすめです。
ビジネスで関わっている相手に対しては、日頃のお礼をあいさつにすると覚えておいてくださいね。
社内の人なら「お疲れさまです」。「ご苦労様です」は×
社内の相手にメールする場合は、関係性や状況に関係なく「お疲れ様です」が使えますよ。
上司や先輩、同僚や部下など、社内のどの立場の人に使っても失礼にはなりません。
似たようなニュアンスのため、ビジネスメール初心者が誤用しがちなのが、「ご苦労様です」というあいさつです。
これは、立場が上の人から下の人に対して使う言葉なので、上司や先輩に対して使うと失礼にあたります。
応用編として、朝の10時までの早い時間帯であれば、「おはようございます」も書き出しのあいさつとして使えます。
相手が会議や外出などで席を外しているとわかっている場合は、「会議中(外出中)に失礼します」と、相手の状況を気づかうあいさつを入れるのも良いですね。
初めてコンタクトを取る相手
初めてメールをする相手に対しては、特にマナーに気をつける必要があります。
不信感を持たれると迷惑メール扱いされることもあるので、突然のメールを受け取った相手への配慮を欠かさないようにしてくださいね。
「初めてご連絡いたします」でも問題はありません。
ただ、突然の非礼を詫びるなら、「突然のご連絡失礼いたします」「突然にメールを差し上げることをお許しください」がおすすめです。
どのような経緯で連絡先を知ったかを添えておけば、より相手の心象は良くなりますよ。
「貴社の○○様からご紹介いただきました」「HPを拝見しました」などと書いておくとよいでしょう。
数カ月連絡していなかった相手
数か月程度の長い間連絡していなかった相手に対しては、時間が空いたことに対する言葉を添えておきます。
「大変ご無沙汰しております。お変わりありませんでしょうか」などの言葉が適切ですね。
関係性がさほど深くなく、すぐに自分を思い出してもらえないかもしれない場合は、初めてメールしたときのような自己紹介を入れます。
企業名と名前のほか、以前どのような取引をしたかを書いておくのもおすすめですよ。
「お久しぶりです」はフランクなニュアンスを含んでいるので、関係性によっては使うことを避けた方が無難です。
取引先や上司に使うと、なれなれしいと思われる可能性があります。
【状況別】本題の書き出しと重要ポイント4つ
メールを送信する場合は、相手や自分の状況に応じて書き出しを変える必要があります。
マニュアルに沿ったビジネスメールも大切ですが、慣れてきたら臨機応変に書き分けてみましょう!
相手のメールに返信するとき
相手から先に送られたメールに返信する際には、連絡してくれたことに対するお礼と、メールを確認済であることを知らせてくださいね。
「ご連絡いただきましてありがとうございます。メールに記載いただいていた内容について確認しております」とすると、メールを送った相手も安心です。
メールを確認したとひとまず報告したいケースで、「取り急ぎ、メール拝受のご連絡まで」という言い回しがしばしば見られます。
相手によっては、この言い回しを軽くあしらわれたと受け取る場合もあるので、使い方に注意してください。
「取り急ぎ、メール拝受のご連絡をいたしました。社内に戻り次第、改めて確認しご回答します」とすれば、相手が誤解することを避けられるでしょう。
お礼を言いたいとき
メールで相手にお礼を言いたい場合は、丁寧な印象を与えると同時に、感謝を真っ先に伝える書き方を大切にしてくださいね。
「お世話になっております、○○です。先日は、弊社と契約を結んでいただき、誠にありがとうございました。」といった具合に、あいさつと名乗りの直後に感謝の言葉を入れます。
メールの用件がお礼であることを、すぐわかるようにしておきましょう!
謝罪したいとき
謝罪するためにメールする場合、普段以上に丁寧できっちりとした文面を意識する必要があります。
メールは対面と違って相手の表情や声色がわからず、こちらの微妙なニュアンスも伝わりづらいため、言葉に気持ちを込めましょう!
謝罪メールでは、あいさつと名乗りの直後に自らの非を認め、お詫びする文章を書いていきます。
謝罪を後回しにしないこと、言い訳や回りくどい表現をしないことが大切です。
「平素は大変お世話になっております。○○株式会社の○○です。この度は、私の不手際によりご迷惑をおかけいたしまして、誠に申し訳ございませんでした。」など、ストレートなメッセージがよいでしょう。
依頼したいことがあるとき
相手に何か依頼するためのメールは、丁寧な言い回しと、相手に時間を割いてもらうことへのお詫び・気遣いの気持ちを大切にしましょう!
「○○についてご相談したいことがあり、メールさせていただきました」と、用件は明確に書きます。
その前後に「誠に勝手なお願いで申し訳ありません」「お忙しいところ恐縮です」などと添えておくと、相手も好印象を持つでしょう。
また、依頼に期日や条件がある場合は、「○日までにお返事いただけると幸いです」などとメールに書いておきます。
相手に急かす印象を与えないよう、注意してくださいね。
正しいマナーで失礼のないメールを送ろう
宛名の書き方やあいさつ、本文の入り方など、マナーを押さえたメールを作成するスキルは、ビジネスパーソンに必須です。
対面でないからこそ、より相手に失礼のないよう、メールの正しいマナーを身につける必要があります。
基本的なメールの書き方を覚えたら、関係性や状況に応じた適切なメールを送れるようにしていきましょう!