それは川端康成の小説の中に
別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。
花は毎年必ず咲きます。

これは、川端康成の『掌の小説』という小説集の『化粧の天使達』という作品に出てくる一節で記されている言葉です。
別れてしまう彼に、何か一つ、花の名前を覚えさせることで毎年花が咲いた時に自分のことを思い出してもらうというもの。
これを、もっとも美しい呪いと言う人もいるんだとか。
そんな、別れる男の人にできる、さよならの美学を一緒に考えていきましょう。
教えたい花や花言葉と連想するアイテムを添えて紹介します。
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なぜ、花の名前を教えるの?

花は毎年同じ季節に咲きます。
その花の名前を恋人に覚えさせます。
そうすると、どうでしょう。
もし別れてしまっても、その花が毎年咲くたびに教えてくれた人(自分)のことを思い出し、忘れることができなくなるではありませんか。

このように、その人との思い出深い花があると、例え、それ以外の季節はその人のことを忘れていたとしても、花が咲く季節になって花を見ると思い出してしまうというわけです。
「一つ」を教えるというのもまた、儚さを演出しています。

恋人と別れる時、グダグダと喧嘩したまま嫌いなところばかりを見て別れるよりも、この一節のように、美しいラストを迎えた方が良いのかも。
花の名を毎年思い出して、思いを馳せる。
それこそが「さよならの美学」なのかもしれません。
別れる彼に教えたい花図鑑

さてここからは、別れてしまう彼に教えたい花を季節別に紹介します。
花言葉と共にお届けします。
・春:勿忘草「私を忘れないで」
・夏:夕顔「儚い恋」
・秋:リンドウ「悲しんでいるあなたを愛す」
・冬:スイセン「もう一度愛して」
春:勿忘草「私を忘れないで」

春に咲く勿忘草(ワスレナグサ)。
花言葉は「私を忘れないで」。
花の名前の通り、切ない花言葉を持つ植物です。
また、もう一つの花言葉として「真実の愛」というものがあるところもまた儚く、美しいですね。
→モチーフを身につけて印象付ける
そんな勿忘草のモチーフを身につけて、彼に名前を覚えさせて。
美しい花のアクセサリーをいつも身につけていたら、きっとあなたの花として覚えてもらえるはず。
こちらは、Cantik*さんの作品。
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夏:夕顔「儚い恋」

夏に咲く夕顔。
花言葉は「儚い恋」。
朝に咲く朝顔と比べて、夕方に咲く夕顔は、その存在自体がエモーショナルで、儚い印象。
美しい印象と共に、花の名前を彼に覚えてもらって。
→同じ名前の物語を読んで
源氏物語 夕顔
¥0
紫式部作 『源氏物語』の夕顔の場面。
儚く美しい夕顔の物語を読んで、その繊細さに浸って。
秋:リンドウ「悲しんでいるあなたを愛す」

秋に咲くリンドウ。
花言葉は「悲しんでいるあなたを愛す」。
鮮やかな色が印象的なこちらの花。
群生せずに咲く姿から、この花言葉が生まれたそうです。
→お洋服で花の色を残して
冬:スイセン「もう一度愛して」

冬に咲く黄色いスイセン。
花言葉は「もう一度愛して」。
未練が残るあの人への想いを花言葉を通して伝えることができます。
もう一度、愛してくれる日まで、そっと待っていて。
→香りからも思い出して
香水
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武蔵野ワークスの「水仙」という香水。
柔らかい香りが包み込みます。
毎年あの花が咲く、思い出す

川端康成の『掌の小説』から読み解く「さよならの美学」。
あなたも、別れる彼に花の名前を一つ、教えて。