Z世代の「推し活」に関する、金額内訳と消費行動とは?
今やZ世代と切っても切り離せない「推し活」。
推しているアイドルや俳優、キャラクターなど、応援するためにはお金も努力も惜しまない! そんな女性が増えています。
では、いったいZ世代は「推し活」にどのくらいの金額を費やしているのでしょうか。
今回は推し活メディア「Oshimoa」が調査した「推し活女子の消費に関するアンケート調査」の結果をご紹介します。
Z世代が「推し活」に使う金額の月平均は約20,000円!
こちらは年代別、月ごとに見た「推し活に消費する費用」をあらわしたグラフです。
18歳以下(高校生以下)は平均8,296円、Z世代である18歳~24歳(高校生除く)は平均20,894円、ミレニアル世代である25歳~34歳は平均22,759円という結果になりました。
18歳~24歳を詳しく見ると、「5,000円以下」(12.3%)、「~10,000円」(33.5%)、「~30,000円」(35.8%)、「~50,000円」(12.3%)、「50,000円~」(6.1%)という結果が出ています。
半数が10,000円以上使っているという結果となり、「5,000円以下」が半数を占めた中高生よりも、より大きな金額を使っている人が多い、ということが読み取れます。
この調査では、公式グッズやライブなどに使用する費用だけではなく、遠征の際の交通費や推し活を一緒にする友達とのカフェ代なども回答に含められています。
大学生や社会人になれば、使える金額だけでなく、行動範囲や、推し活に使える時間が増えるため、納得の結果とも言えますね。
また、月50,000以上と答えた人の中には「100,000円以上」と答える人もおり、年に数回の遠征など、多額の消費も含まれていると考えられます。
またミレニアル世代と比較しても大きく金額が変わらない理由としては、「年齢を重ねても推し活への熱量は大きく下がらない」という結果の表れであると、本調査内にて「Oshimoa」が分析しています。
Z世代が公式以外に使う「推し活」費用の平均は約5,000円!
さらに「推し活費用のうち、公式以外に使う金額」についても結果が出ています。
これは例えば、遠征の際の交通費やカフェ代、美容院やネイルにかけるお金、自作のグッズなどに使う費用などが含まれると考えられます。
アンケートによれば、18歳以下(高校生以下)は平均2,770円、Z世代である18歳~24歳(高校生除く)は平均5,592円、ミレニアル世代である25歳~34歳は平均6,274円という結果になりました。
どの世代も、推し活に使う費用のうちの約25%を、公式から供給される製品やサービス、イベント以外に使用していることがわかります。
推し活への熱量と使える金額が大きくなるほど、推し活に直接的には関連しない消費にかかる金額も増えると言えそうです。
18歳~24歳を詳しく見ると、「0円」(22.4%)、「~5,000円以下」(47.9%)、「~10,000円」(15.6%)、「~15,000円」(5.0%)、「~20,000円」(5.6%)、「20,000円~」(4.5%)となっています。
4~5人に1人は「0円」という回答も。自分のできる範囲で無理なく推し活を楽しみたい、という人も中にはいらっしゃるようです。
多くの推し活女子の悩みは「お金と時間」!
アンケート内で推し活における悩みを尋ねたところ、「常に金欠・お金の管理ができない」という意見が多数挙がっていました。
推しへの熱量のパラメータとしての役割を持つ「グッズ」や、配信者などへの「投げ銭の金額」。
「推しにお金を使うこと」=「推しへの愛情が大きい」という考えを持つ推し活女子も多く、お金の問題は常に、推し活女子を悩ませているようです。
さらに推し活の悩みとして「コンサートなどの日程調整が難しい、仕事との両立が大変」という意見も上がっていました。
自由に使えるお金や時間が増えたとしても、やはり日々の生活との両立が難しい、というお悩みはあるあるですよね。特に地方に住んでいると、遠征するだけでもひと苦労です。
推しに対して、そのほかの何よりも優先度高く、衝動的に消費を行う傾向がある推し活女子。推し活とは関係のない行動や出費に対しては、なんとか調整しようとしたり、出費を抑えようと努力しているようです。
マーケティング観点から見る「推し活」とは
調査結果内で「Oshimoa」は以下のように分析しています。
「推し活をする層の消費意欲を喚起するための最も重要なボトルネックは、その購買活動が『推しのため』になるかです。
推し活層へのマーケティングを検討する場合、その人の生活に便益をもたらすかということよりも、その消費行動が推しのために役立つか、ということが重要になります。
推し活層の効用を最大化するためには、消費者の生活の中での課題解決を目指すことよりも、消費者と同じ目線に立って一緒に推しを推す、というスタントを含んだプロダクト設計やPR活動を行うことが重要になります。
可処分所得が低い方に分類される層でありながら、高いモチベーションを持ってお金を稼ぎ、消費することに慣れている、という特徴を持つ人々が存在するこの市場は、非常にニッチかつ潜在性を秘めた魅力的な市場であると考えます」
参考として、「Oshimoa」のInstagramのストーリーズで取ったアンケート結果(回答数:1,438名)を合わせてご紹介します。
こちらでは、1割近い人が100,000円前後の金額を使用している、という結果になりました。50,000~80,000円と答えた人が15%ほどいるのも、先ほどのアンケートと比べると特徴的な違いとなっています。
Instagramのフォロワー属性として、女性が98.5%を占め、13~24歳が57.3%、25~34歳が28.3%を占める「Oshimoa」。年代としてはアンケート結果とほとんど差はありません。
しかし、Instagramを積極的に活用している、特にトレンドに敏感な推し活女子のほうが、より推しに費やす金額も多くなっている、ということが言えそうです。
Z世代にとって「推し」とは
「推し活」という1つのワードにおける消費活動の中には、たくさんの費用項目があり、人によってもさまざまです。
それでも推し活をするZ世代にとって「推し」とは、ほかの何よりも優先して消費を行いたい存在。そのためであれば仕事や貯蓄、節約を行えるという人も多そうです。
「推し活」観点から見るZ世代の消費行動にも、ぜひ今後ともご注目ください。
【調査概要】
「推し活女子の消費に関するアンケート調査」
調査期間:2023年5月18日~6月4日
調査対象:34歳までの推し活をしている女性 486名
調査方法:googleフォームにて回答入力
調査主体:Oshimoa