『サボリーノ』をZ世代の必需品に。SNS×メディアで大バズりさせた戦略とは？

出典snapmart.jp

顔に１分貼るだけで洗顔からスキンケアまでできるシートマスク『サボリーノ』。これまでにベストコスメ110冠（2015年4月～2022年12月末まで）を突破し、常に話題になっています。ヒットし続けるための戦略を、スタイリングライフ・ホールディングス BCLカンパニー マーケティング本部宣伝販促部PR室 PRマネジャーの御殿谷（みどのや）りえさんにお聞きしました。

――Z世代に向けた『サボリーノ』について教えてください。
 
「『サボリーノ』は2024年に10周年を迎えます。そこでもっと若い世代にも使っていただきたいと考え、Z世代のトレンドである、ビタミンC、ビタミンAといった成分を切り口にした商品を開発。朝用の『サボリーノ 目ざまシート ビタットマスクC』、夜用の『サボリーノ お疲れさマスク ビタットマスクA』です。ビタC、ビタAの愛称で呼んでいます」（御殿谷さん・以下同）

――今までと印象の違うパッケージが話題ですね。
 
「パッケージデザイナーやコピーライターもZ世代の方を起用しています。シンプルなデザイン性と、ビタミンの沼を意味する『ビタ沼』というコピーを開発したのが、新しい印象かもしれないですね。これまでのサボリーノを知らないZ世代の方からは、『従来品と並べると、今回のビタC、ビタAのほうを買いたくなる』という評価をいただき、手応えを感じています。時代のパワーワードとなっている『タイパ』の良いアイテムとして、新しくZ世代の方にもご注目いただける商品だと思います」

――同じくZ世代に向けた商品として、ジェンダーレスなサボリーノも発売されました。
 
「『サボリーノってメンズはないの？』とよく言われていたので、春の新生活から使えるよう開発したんです。ユニセックスサボリーノのキャンペーンモデルは今話題のHi-Fi Un!corn。日韓合同オーディションプログラム『THE IDOLBAND：BOY'S BUTTLE』から生まれた、日韓5人組のアイドルボーイズバンドです。話題性を提供できるよう、常に多くの企画を同時に進行しているんですよ」

カップル使いにもおすすめ。メンズも手に取りやすいシンプルなデザインにも注目が集まりそうです。

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――このようなZ世代に向けた商品開発やプロモーションはどのように進行しているのですか？
 
「若い世代向けの商品は、社内の20代に任せています。新入社員から入社５〜６年目くらいまで、ほぼZ世代ですね。若い世代がどのように考えて商品の購入に至るのか、リアルなモデルケースである彼らが、商品開発やプロモーションを全面的に担当しています。自分で１から10まで決められるのがモチベーションになり、若い社員の成長にも繋がっていますね。管理する年上の世代は、『基本的にチャレンジしたいことは何でもやってみて』と伝えて、そっと見守っています」
 
――管理する側が口を出さないようにしているのですね。
 
「社会ルール的にまずいことなどは伝えますが、基本的に任せています。商品開発には直感力も大事なので、年上の管理者に感性の長けている者を置き、最終的には管理者が20代の社員を信じて、覚悟を決めて出す、という感じです」
 
最後は覚悟… ！その意気込みで20代の発想を生かし、売れる商品に結びつけているのですね。

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――SNSの活用について、どのように考えているか教えてください。
 
「SNSの効果は、SNS単体でというよりも、全体を盛り上げてくれる大切な要素だと考えています。例えば先日、ビタC、ビタAをTBS系列『がっちりマンデー』に取り上げていただいたときもそうでした。オンエア後にサボリーノ史上、最大級のバズが起こり、パンクしそうなくらいお問い合わせをいただいたんです。某ECサイトでは、１ヶ月分が１日で売り切れたほど、大きな反響がありました。
 
テレビだけではこんなに反響を取れなかったと思います。SNS投稿がたくさんある状況でテレビに取り上げていただけたので、大拡散を生み出せました。やはり、メディアの皆さまやインフルエンサーの方に、新発売の商品をきちんとお伝えしてお取り上げいただけるようにする努力が大切ですね。
 
インフルエンサーイベントを行い、SNSに素敵にご投稿いただけるようにするほか、インフルエンサーさんとのコミュニケーションもしっかり取っています。ほかにも、独自のアンバサダーさんを任命して一緒にプロモーションに取り組んでいます」
 
媒体の相乗効果で大きなバズを起こすために、普段からコツコツSNS投稿が増えるよう、プロモーションを重ねる努力が大切なんですね。

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――コロナ禍以降、サボリーノの使い方に変化はありましたか？
 
「まず、コロナ禍に出かけなくなったことで、『この生活ではサボリーノを使わなくてもいいよね』となってしまうんじゃないか、という心配はありました。そこで、リモートワーク用にサッとメイクをするとき、サボリーノで肌を整えると便利、という打ち出しをしました。
 
コロナが落ち着いてきた2023年は、タイパ（タイム パフォーマンス）が注目ワードになり、サボリーノが時代にハマっていると思います。「楽してキレイになる」という価値観が、効率的に時間を使える、タイパが良いと見直され、新たなチャンスが来ていますね」

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――リアルな売り場でZ世代にウケるコツはありますか？
 
「弊社のグループ会社にバラエティショップ『PLAZA』があり、『PLAZA』からの情報や、社内の20代、アンバサダーさんの意見、大学生の方にグループインタビューするなど、生の声を集めてZ世代が求めているものを探っています。
 
全国の売り場から上がってくるPOSデータ（店舗のレジによる販売データ）も見ます。SNSのトレンドは定期的にチェック。特にTikTokでバズると売り上げが爆発的に伸びるので、POSデータと照らし合わせ、どの投稿をきっかけに売れたのか調査して、どんな見せ方がヒットに繋がるかデータを集めています。
 
近年は、キンモクセイ、さくらなどのテーマで商品を集める、期間限定の売り場がZ世代にヒットしていますよね。次はミモザが来ると言われているようで、注目しています」

―ー今後の展望を教えてください
 
「今の時代、『サボる』というワードが、Z世代にトレンド感をもって受け入れられているのではないでしょうか。『力を抜いて、楽してもいいんだよ』という肯定的なイメージです。忙しくても無理せずキレイを保てる、Z世代のみなさまにそっと寄り添うアイテムとなればうれしいですね。わかりやすいネーミングと世界観、使った実感の良さを気に入っていただけていると思います」

「サボリーノが2024年に10周年を迎えるにあたり、今からさまざまな企画を考えています。プレッシャーがすごいですが、とても楽しみです。ご期待に応えられるよう、進化していきたいと思います」

いつも話題を提供してくれるサボリーノ。どんな進化を遂げるか、今から楽しみですね。