丸型チョコレート『リンドール』で知られるリンツのイベント

丸い「リンドール」がいくつも山になり、量り売りするコーナーが体験型となっているブティック。このチョコレートを展開するのは、スイスのプレミアムチョコレートブランド、『Lindt(リンツ)』。2023年のバレンタインシーズン施策として行われた『リンツ ハピネスガーデン 表参道』をどのように実現したのか、その効果がどのように表れているかについて、リンツ&シュプルングリージャパンで本イベントの企画を担当した有馬るみなさんにお伺いしました。

――イベントを行った経緯を教えてください。
「バレンタインデーをきっかけに、リアルな空間での体験を通して、もっとリンツブランドの魅力を知っていただくために行ったイベントです。『リンツ バレンタインコレクション2023』のテーマは「幸せがはじまる⾵景」。チョコレートを贈るときや召し上がっていただくときだけではなく、その先もずっと続く幸せや愛を表現しました。イベントの装飾では、一歩足を踏み入れたら幸せを体感できる空間が広がっている、そんな世界観を表現しました。店舗のイメージは「幸せのフラワーガーデン」。花の装飾をふんだんにあしらい、表参道の雰囲気に馴染みつつも、通った方が『あれっ、何かやってる! 楽しそう!』と立ち止まっていただけるように、外観の華やかさも意識しました。」(有馬さん以下同)
SNS発信したくなる可愛さと美味しさが際立ったドリンク

――イベントでの味わう体験としては、『ストロベリーブーケ ホットショコラドリンク』がとても美味しかったです。
「ありがとうございます。日本におけるリンツのブティックで提供しているドリンクは、すべて日本独自のオリジナルメニューなんです。バレンタインシーズン限定の「ストロベリーブーケ ホットショコラドリンク」は「バラの花束を贈る」ことをイメージして開発しました。ヨーロッパのバレンタインは、男性から女性へバラの花束を贈る風習があることに着想を得て、花束のようなビジュアルにこだわりました。
上にのせたホワイトチョコレートは一枚一枚手削りで丁寧に仕上げたほか、上質な素材を使い、味わいにもかなりこだわりました。甘すぎないようベースのドリンクにはダークチョコレートを使い、いちご果肉のピューレと合わせて、トッピングのムース部分にはフランボワーズをのせて甘酸っぱさが後を引く味わいに。また飲みたいと思っていただけるよう、濃厚さと甘酸っぱさとのバランスを開発の段階で何回も試飲して調整しました。
美味しくて華やかな見た目にこだわったおかげで、お客さまがSNSにたくさん載せてくださいました」
拡散力のあった、花の真ん中がチョコレートになっている『リンドールフラワー』

――SNSでいえば、もうひとつ限定プレゼントの『リンドールフラワー』がUGCを生んでいたようです。
「はい、『リンドールフラワー』は、幸せの体験を持ち帰っていただきたいという想いで企画しました。SNSにアップしたくなることにこだわったとともに、『バレンタインに花を添えてチョコレートをプレゼントする』イメージを形にしました。アイコニックでトレンドも感じられるものにしたいと考え、『一輪のお花の真ん中がリンドールになっていたら可愛いよね』『街で持っている人を見かけたら気になるよね』と話し合ってこの形になりました。

リンツの看板商品リンドールは、丸くて二層構造になった、なめらかさが特徴の美味しいチョコレートです。このリンドールを楽しくお選びいただくための量り売りシステム『PICK&MIX(ピック アンド ミックス)』は、直営店ならではの体験型の販売手法。お子さまが初めて山積みのリンドールを見たとき、瞳をキラキラさせて喜んでくださるのを見ると、とてもうれしいですし、大人もワクワクする体験だと思います。イベントをきっかけにリンツのワクワクを体験して、ファンになってくださった方も多いのではないでしょうか」
Z世代はSNSでブランドの魅力を拡散してくれる存在

――ターゲットとしてZ世代などの若い世代をどうとらえていますか?
「イベントをSNSで広めてくれる存在は、Z世代などの若い世代だと思います。そこで、イベントの雰囲気も、若い方がSNSで発信したくなるものを意識しています。一方で、リンツは幅広い年代のお客さまに愛されているブランドです。どの世代の方にも素敵だなと思っていただけるよう、イベントの装飾は可愛くなりすぎないバランスを重視しました。

もちろん、ユーザーの方へリーチするために、デジタルの入り口は必要だと考えていますし、これから長くファンでいてくださるZ世代の方ともコミュニケーションを取りたいと思っています。ユーザーの皆さまが誰かにシェアしたくなるような話題をブランドから多角的に提供しながら、リンツの世界観を体験してくださった方がSNSで広めてくださるように意識しています。
また、体験型という意味では、店舗イベントと同時にバレンタインシーズンのデジタル施策として、期間限定キャンペーン『おふたつ、リンツ。』を行いました。特設サイトの『リンドール診断』で質問に答えていくと、ぴったりのリンドールをセレクトしてくれるというもの。診断後にリンツ公式LINEを友達追加すると、店頭でリンドールをふたつプレゼントするという施策でした。ハッシュタグに『#おふたつリンツ』『#リンドール診断』を設定していたので、リンツとリンドールを拡散することができました」
診断ものは、Z世代にも人気のコンテンツ。診断結果が22種類もある凝った診断だったので、楽しんだ人も多かったのではないでしょうか。
イベントにより、集客、SNS拡散に手応え。認知度アップにも貢献

――イベントの効果はどのように出ていますか?
「プレス向けの内覧会も行ったので、そこからテレビ露出につながりましたし、内覧会にSNSクリエイターの方を招待したことで、当初からSNSに露出していただきました。一般のお客さまも、花の装飾がいっぱいの外観や内観、リンドールフラワー、限定ドリンクを投稿してくださった方が多くいらっしゃいました。その結果、集客と売り上げにも反映され、SNSでの拡散数も多かった印象です。通りがかりに、『あっ何かやってる! 楽しそう!』と思って立ち寄ってくださった方も多かったようで、総合的に認知度も高まったと思います。リンツのひとつの店舗としてはかなり多くの露出を生み出し、手応えを感じました。イベント期間のトラフィックでも、お客さまがリンツに接してくださったボリュームは増えており、効果を実感しています」

――現在は、認知度の向上に重点を置いているのですか?
「もちろん、総合的な価値を高めたいと思っていますが、認知度の向上は重視しているポイントです。ドイツ語の『Lindt』というスペルを、リンツと読むのを覚えてくださったらうれしいですね。また、リンドールを知ってくださっていても、リンツというブランド名と結びつかない方も多いと思うので、製品とブランド名がリンクするように努力していきたいと思います。
また、今後はもっとギフトにもお選びいただけるよう展開していきたいと考えています。現在は自分へのご褒美にお買い求めくださるお客さまがとても多く、#ご褒美リンツ というハッシュタグをブランドから発信して、お客さまの投稿にもお使いいただき、コミュニケーションのひとつになっています。自分が食べて本当に美味しかったものを、大切な人へのギフトにすると思うので、ギフト需要も狙っていきたいと考えています」
スイスのドイツ語圏で生まれた『Lindt(リンツ)』は、ドイツ語表記。社名は創業者のロドルフ・リンツ氏に由来。
今後もリンツにZ世代からの注目が集まりそう

プレミアムチョコレートブランド・リンツは全世代をターゲットにしたブランドですが、その美味しさと素敵な世界観にZ世代のファンも多いようです。リンドール以外にも可愛くて美味しいチョコレート製品がたくさんあるブランドなので、今後ますます注目度が増しそうです。
本イベントの企画を担当した、リンツ&シュプルングリージャパン 有馬るみなさん。手にしているのは、リンツで春のイースターシーズンに毎年登場する「ゴールドバニー」のチョコレート。店頭での販売は、100g、200gタイプなどがあり、ギフトにもおすすめです。