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【学び・お仕事】「Z世代の仕事に関する意識」調査結果を分析!「やりがいよりも生きがい」を重視するZ世代の価値観とは

上司との関係性や、出世欲や職場への不満など、気になるZ世代の仕事の価値観。「SHIBUYA109エンタテイメント」が運営する若者マーケティング機関『SHIBUYA109 lab.』では、15~24歳のZ世代を対象に、外部調査パネルによるWEB調査とSHIBUYA109 lab.独自ネットワークによるインタビューから「Z世代の仕事に関する意識調査」を実施。本記事ではその調査内容の一部をご紹介します。

更新 2023.05.08 公開日 2023.03.16
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SHIBUYA109 lab.による「Z世代の仕事に関する意識調査」

Z世代にとって「働くこと」とはどんなことなのだろう。どんな職場や上司であれば、働きやすいのだろう。そう考えたことはありませんか?
 
リモートワークの定着や、フレックスタイム制の導入、ユニークな福利厚生、育休取得の促進、キャリアアップ・スキルアップの支援など、社会の変化とともに企業にもさまざまな変化が起きています。

では、勤める側のZ世代のニーズは、そんな企業の提示する「働き方」と合っているのでしょうか?

「SHIBUYA109エンタテイメント」が運営する若者マーケティング機関『SHIBUYA109 lab.』では、15~24歳のZ世代を対象に、外部調査パネルによるWEB調査とSHIBUYA109 lab.独自ネットワークによるインタビューから「Z世代の仕事に関する意識調査」を実施。
 
今回はその調査内容の一部を詳しく紐解きます。

職場の人間関係は良好?Z世代が職場に求めるものとは

Q.仕事に関する価値観としてあてはまるものを教えてください。

まずは職場の人間関係から。
 
社内の人とはプライベートな話も共有したい
・YES…42.6%
・NO…57.5%
 
上司を含めた会社の飲み会は好きだ
・YES…33.4%
・NO…66.7%
 
同期や同世代の同僚のみの会社の飲み会は好きだ
・YES…50.8%
・NO…49.1%
 
と、意見の分かれる結果となりました。

肯定派では「飲み会で軽く仕事の話をしておくと、次の日の会議で話しやすくなる」といった前向きなコメントがありました。
 
一方否定派としては「同僚のプライベートには興味がない」「プライベートについて聞かれたら答えるが自分からは話さない」というコメントが挙げられていました。
 
同世代の中でも意識のばらつきが大きく、各個人の価値観を見極めていく必要があるようです。

Q.会社の中で、SNSアカウントを交換している相手をそれぞれ教えてください。

SNSアカウントの共有については、「誰とも交換していない」が42.6%、「同じ部署の同期・同世代の同僚」が20.0%、「同じ部署の先輩」が11.4%と続きます。
 
上司とSNSでつながるのはちょっと…と否定派の人が多そうです。
 
では一体「SNSで繋がってもいい」「一緒にお酒を飲みに行ってもいい」、そんな上司像、とはどんなタイプなのでしょうか。

Z世代にとっての理想の上司像とは?

Q.あなたにとっての理想の上司像について教えてください。

理想の上司像は?
1位…わかりやすい言葉で説明してくれる 55.3%
2位…ていねいに教えてくれる 46.7%
3位…気軽に相談しやすい 45.3%
4位…意見を聞いてくれる 38.2%
5位…感情的にならない 37.5%

という結果になりました。

わかりやすく、ていねいで、気軽に相談しやすい相手。感情的にならず、自分の意見を聞いてくれる相手。そんな相手こそ、Z世代にとっての理想の上司像のようです。
 
一方「リーダーシップがある(27.3%)」「実績や結果を残している(21.4%)」と個々の資質や経験についてはポイントが低い傾向があります。
 
周囲を引っ張っていくリーダーというよりも、コミュニケーション力の高いリーダーが求められていることがわかります。

Q.オンライン上での理想の上司のサポート方法について、あなたにあてはまるものを教えてください。

「オンラインにおける理想の上司のサポート」について尋ねると、「オンライン上でも相談しやすいような働きかけをしてくれる(27.7%)」「テキストで丁寧に業務のサポートや指示を送ってくれる(27.5%)」、そんな上司像が求められているようです。
 
オンラインでの業務も増えた今、上司に「困っていることを伝えやすい」というのは、一緒に仕事をするうえで、とても大切なのかもしれないですね。

Z世代にとっての理想の職場・働き方とは?

上司と部下、という関係性において、もっともコミュニケーション力が求められる昨今。続いて、Z世代にとっての理想の職場・働き方を紐解いていきましょう。
 
まずはこんな「現状」の不満からです。

Q.自分の勤め先で「古い」「遅れている」と感じることをすべて教えてください。

自分の勤め先で「古い」「遅れている」と感じること
1位…IT環境、電子機器関連 31.9%
2位…業務の電子化(ハンコや書類申請など) 27.0%
3位…働き方(リモートワークや労働時間など) 22.4%
 
と続きます。

今回注目したいのは3位の「働き方」。自由回答では以下のような意見が挙がっていました。
 
「ワークライフバランスへの理解の差がある」
「リモートワークが認めてもらえない」
「残業をしたほうが偉い、という風潮がある」
「対面での会議が長い」
 
コロナ禍の影響もあって、社会に比較的浸透したリモートワークや非対面でのやり取りですが、まだまだ不満が残る人も多そうです。

Q.あなたにとって理想の職場はどういったものですか。

理想の職場とは? の質問には「休み・有休が取りやすい(59.9%)」「給料が多い・仕事に見合った報酬(56.2%)」「プライベートの時間が確保できる・残業が少ない(53.3%)」といった回答が多くの票を集めました。
 
そのほかにも「柔軟な働き方ができる(35.5%)」など、プライベートとの両立をしやすい環境を理想に掲げた人が多そうです。

Q.あなたの理想の働き方としてあてはまるものを教えてください。

理想の働き方はこちら。「好きなことでお金を稼ぐ(38.9%)」「場所にとらわれず働ける(38.7%)」「週休三日制(34.3%)」など、やはりワークバランスに関する項目が上位に挙げられています。
 
一方「副業ができる(21.7%)」「同じ会社で定年まで働く(18.2%)」「フリーランス・個人事業主として働く(12.9%)」と、収入や経験の増加に関する項目は伸び悩んでいる結果に。

Q.仕事に関する価値観としてあてはまるものを教えてください。

仕事を充実させて生きていきたい…31.8%
プライベートを充実させて生きていきたい…68.1%
 
仕事は自分の人生を充実させてくれる…36.3%
仕事は私生活をするための資金集めの手段だ…63.8%
 
会社のために働いている…25.8%
自分のために働いている…74.2%
 
仕事へのやりがいや充実を求める人がいる一方で、プライベートを重視し、自分の生活を大切にしていきたい、そういう考え方のほうが多い結果となりました。

グループインタビューではこんな意見も。
 
「上の世代はとにかく仕事が好きで一生懸命やりたいと張り切っている感じだけど、私の同期たちは、生活のためにそれなりにやりがいのある仕事がしたいって感じ」
 
もちろん仕事も大切だけど、それ以上に自分のプライベートは大切。きっちりと分けて両立していきたい、そんな傾向が垣間見えました。

出世したい?長く同じ会社で経験を積みたい?

Q.あなたは将来的にどこまで出世したいと考えていますか。

親世代では目指すものとして、当然のように考えられていた「出世」。今どきのZ世代はどう考えるのでしょうか。
 
アンケートによれば最も多かったのが「出世したいと思わない(27.0%)」、次いで「チームのプロジェクトリーダーや主任(12.9%)」という結果になりました。

出世したくない理由としては「責任が重くなるから(56.5%)」「プライベートを重視したいから(39.9%)」「労働時間が長くなるから(32.3%)」と、自分の時間を重視したいゆえの意見が多数挙がっていました。
 
また出世するからといって給料が上がるとは限らず、さらに出世すると仕事量も増えてしまうという現実が見えている今、「仕事量と給料が釣り合わない(34.5%)」という厳しい意見も多く挙げられていました。

転職したいZ世代、その理由とは?

さらに調査結果では「転職したい・転職したことがある」と思ったことがある人が52.8%と過半数を超える結果となりました。
 
その理由として、「収入面での不満」「労働時間の不満」「人間関係」などが挙げられています。

Z世代の中では、自分の働き方・生き方に見合わない職場であれば、転職するのも自由だ、という考え方が浸透しているようです。

「Z世代のキャリア観においては、先が見えない社会情勢の中で生まれ育った背景もあってか、遠い将来のための成長よりも、『今』や『直近の未来』を優先してキャリアを積んでいく傾向が見られる」と、SHIBUYA109 lab.では分析しています。
 
肩書やキャリア、会社に固執することなく、自分の納得のいく自由な働き方をしたい。Z世代の仕事観が垣間見えますね。
 
かつての親世代、もしくは今の会社の上層部が経験してきた就職氷河期や、年功序列や上下関係の厳しかった時代に比べると、「仕事を自分で選べる時代・会社への働きかけができる時代」だからこその感性とも言えそうです。

Z世代の仕事観は「やりがいよりも生きがい」。

仕事で自分の人生を充実させる「やりがい」よりも、私生活「生きがい」を充実させるために仕事をする、そんな傾向が見られるZ世代。
 
SHIBUYA109 lab.はこうも分析しています。
 
「Z世代だけでなく、社会全体で仕事や働き方に関する価値観は多様化しています。企業の制度やマネジメントにおいて、これまでの画一的な育成体制や働き方を押し付けるのではなく、『個』に目を向け、育成・コミュニケーション方法をカスタマイズしていくことが求められています」
 
今現在はもちろんのこと、Z世代がますます中心を担っていく数年後から十数年後の社会に向けて、企業のルールや制度、それぞれの「働き方」を改めて見直してみるのもいいかもしれません。

【調査概要】
『Z世代の仕事に関する意識調査』
調査期間:2023年1月
調査対象:WEB調査 1都3県18歳~26歳の社会人411名(男性212名、女性199名)、グループインタビュー 社会人8名(男性4名、女性4名の2G)
調査主体:SHIBUYA109 lab.調べ

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