2023年に「はじめたいこと」の調査結果から見るZ世代の意識
まず初めに、こんな調査結果をご紹介します。
これは、アコム株式会社が「\はじめたいこと見つけよう!/2023年 はじめたいことRANKING」と題し、全国の15歳~69歳の2,384名に対して行われたアンケート調査の結果です。
キャッシュレスサービスが広がる中で注目されている「ポイ活」が総合第1位と言う結果に。
働き方改革として導入されはじめている「週休3日制度」が第2位、「副業・複業」が第3位に挙がり、世相を反映した結果となっていることがわかります。
それでは、Z世代を中心とした、10代~20代はどのように考えているのでしょうか?
本記事では、こちらのアンケート調査の中から、10代、20代にフォーカスした結果を、さらに詳しく紐解きます。
年代別に見る「2023年にやりたいこと」アンケート結果
10代のランキングのポイントは「トキ消費」と「美意識」
まずこちらは10代のランキング結果です。
第1位の「ポイ活」や第2位の「週休3日制度」と、学生も多い年代なことから「英語検定・TOEIC」が同率2位にランクインしています。
どの年代でも比較的ランクインすることが多かった、「料理」「海外旅行」「銭湯」なども上位にランクインしています。
今年は行動制限が緩和されたことにより、全体的に「海外旅行」が上位に挙げられている傾向にあるそうです。
10代の上位には「リアル音楽フェス参戦」もランクイン。
コロナ禍では困難だった大型のリアル音楽フェスが開催されるなど、オフラインで楽しめる娯楽が復活しつつある昨今。
「画面越しでしか見られなかったパフォーマンスを生で体感したい」という意識が、デジタルネイティブ世代の10代の間に広がっている、とも考えられます。
また、「そのとき、その場でしか体験できないことを共有する消費行動『トキ消費』のような“参加性”のある経験が求められている」という分析もアンケート結果には添えられていました。
さらに、「歯科矯正」「ヒゲ脱毛」や、時間を有効活用した「睡眠美容」などが10代では上位にランクインするなど、男女ともに高い美意識がうかがえる10代。
リモートではなく実際に人と会う機会が増え、また、マスクを外す機会も増えるようになった今だからこそ、より美意識の高まりが反映される結果となったと推察されます。
20代のやりたいことの上位に挙げられた「ヌン活」に注目
20代のランキング結果です。こちらも上位はほぼZ世代と変わらず、「ポイ活」や「週休3日制度」などが続きます。
10代では「オンラインゲーム」や「フィルムカメラ」、「スキー・スノーボード」など、娯楽中心だった調査結果ですが、20代では「投資信託」や「ヨガ・ピラティス」などがランクインするなど、自己投資や自分磨きが注目され、手軽に楽しめるような娯楽がランク外となっているのも、興味深いポイントです。
しかし一方で、20代で注目されている娯楽が「ヌン活」。
SNSを中心にブームを巻き起こしている「ヌン活」が上位にランクインしているのは、全世代を見ても20代のみ、という結果になりました。
就業する前の学生や、ライフイベントが多くお金を自由に使えない方も多い30代以降と比べて、自分に投資する余裕がある20代だからこその結果とも言えそうです。
新成人・新社会人の結果は?
ここでさらに、新成人・新社会人に対象を絞った調査結果をご紹介します。
新成人となる18歳は、10代全体と比較して「英語検定・TOEIC」をはじめ、「日商簿記検定」や「ITパスポート」などが上位に挙がっています。
社会に出て自立していく節目の年だからこそ、今後の進路や人生に活かせる資格取得が注目されている結果となりました。
こちらは新社会人へのアンケート結果です。
新社会人では「週休3日制度」が1位になるなど、働き方について高い関心を持っている傾向が見られました。
現在新卒採用が売り手市場なのも関係し、自分に合った働き方を考えながら仕事を選べる時代だからこその意識が、アンケート結果にも反映されています。
新社会人の調査結果では、「歯科矯正」や「ヒゲ脱毛」が上位に挙がるなど、金額的に学生にはハードルが高く、完了までに時間がかかる身だしなみに関わるような自己投資を、社会人になったタイミングではじめたいという意識も現れています。
「5:2ダイエット」や「おしゃれサウナ」「睡眠美容」「酵素風呂」など、さまざまな美容や健康に関する行動がランクインしている点にも注目です。
2023年のZ世代の今後の動向にも注目
アンケートでは、結婚や出産などのイベントが重なる30代は、お金に関する意識が高く「ご近所副業」や「懸賞」なども上位にランクインしていること、40代では高い防災意識が見られ、「防災アプリ」や「ローリングストック」が上位にランクインしていることなどが公表されています。
それぞれの年代によって全く異なる傾向を示す中、それでもすべての年代で「ポイ活」が第1位に挙げられているのも、興味深い結果となりました。
物価高騰の影響もあり「かしこくお得に暮らしたい」、そんな意識も現れた結果となったのではないでしょうか。
外出自粛でさまざまな行動が制限されていた昨年は、「金融投資」や「家庭菜園」が上位にランクインするなど、 “自宅でできるはじめたいこと”にチャレンジする傾向があったそうです。
2023年は外向きのチャレンジが増えると思われた一方で、「ポイ活」といったお金に関することや、「週休3日制度」「副業・複業」などの働き方に関することが上位に入り、どの年代にも強い堅実志向が見られます。
働き方や娯楽の楽しみ方、自己投資のあり方など、Z世代の今後の動向にも注目です。
【調査概要】
『\はじめたいこと見つけよう!/2023年 はじめたいことRANKING』
調査対象:全国の15歳~69歳の2,384名
調査方法:インターネット調査(マクロミル)
調査主体:アコム株式会社