「バル」はよく見かける言葉ですが、改めて意味を聞かれると、意外と答えに悩みませんか?
日本で使われているバルと、海外での認識は少し違います。それぞれの違いを知って、よく行くお店のメニューのこだわりなどもわかるようになっておくと、また一歩大人に近づけるかも♡
同じ綴りでも国ごとにバルの意味は違う?
バルのアルファベット表記はBAR。英語だとバーですね。しかしながら同じ「BAR」という単語でも、スペイン・イタリア・英語でそれぞれ意味も発音も異なります。いずれも飲食に関連する場を指す点では共通しているのですが、それぞれの文化圏ごとに少しずつ違う使われ方をしているのです。
日本のバルの特徴って?
お店選びをしていると、『肉バル』『ワインバル』という言葉もよく見かけますよね。日本でバルといえば、『海外風の居酒屋』というイメージが一般的。
海外のワインやビールを片手に、洋風のメニューとともに少し大人の雰囲気を味わえる飲食業態です。とはいえ、そこまでフォーマルではないので、気楽に立ち寄れる場所がほとんどです。
店内のインテリアもおしゃれなところが多いので、デートや女子会で使っているという人も多いのでは?フォークやナイフを使いながら、カジュアルにおしゃべりを楽しみましょう♪
スペインのバルと日本のバルは違う!
バルという言葉はスペイン語に由来します。スペイン人にとって、バルは日本よりも日常的に訪れるカジュアルな場所なのです。
さまざまなスタイルのバルがあり、朝はカフェのようにコーヒーやパン、昼はランチ、午後はティータイム、夜はディナーとアルコールなど、あらゆるシチュエーションで楽しめます。まさに人々の社交場といえるでしょう!
また、お酒を飲む場合、スペインでは複数のバルをハシゴするのが一般的と言われています。スペインに行く機会があれば、現地の人のようにバルを楽しんでみてくださいね◎
イタリアでは「バール」と呼ばれる
BARという単語を、イタリアではバールと発音します。イタリアのバールに欠かせないのはコーヒー。バールにはバリスタがいるのが基本で、カプチーノやエスプレッソのカウンター立ち飲みスタイルもよく見られます。
軽食を摂れるカフェレストランという位置づけなので、朝食やランチに立ち寄る人が多いのが特徴です。夕方以降には、アルコールやおつまみなども提供してもらえます。営業時間が長く、朝早くから夜遅くまで営業しているお店がほとんど。
席に座るより、立ち飲みの方が値段が安いケースもあります。イタリアに行ったら気軽に立ち寄ってみたいですね!
スペインのバルはどんなお店なの?
日本のバルに行くときに新しい楽しみ方ができるよう、本場スペインのバルがどのような場所かを知っておきましょう!
スペインのバルにも種類がある!
スペインにはいろいろなタイプのバルがあり、シチュエーションに応じて使い分けられています。どのような種類があるのかご紹介していきます!
・リストランテバル:リストランテとは高級レストランのこと。食事メインで、特別な日に利用されるなどフォーマルな場
・カフェバル:コーヒーをメインで楽しむ気軽なスタイル。コーヒースタンドのような雰囲気で、カウンターの立ち飲みがメイン
・ジェラテリアバル:アイスクリーム(ジェラート)がメインのお店。コーヒーやアルコールも楽しめる
バルにある定番メニューといえば?
スペインのバルに行ったことがある人は、メニューに『タパス』や『ピンチョス』などと書いてあるのを見たことがあるはず!具体的にチェックしてみましょう。
・タパス:小皿料理のこと。チーズや生ハムなど、手軽に食べられるおつまみ
・ピンチョスとカナッペ:ハムや野菜などを、パンやクラッカーの上にのせたのがカナッペ。パンの上にのせて串刺しにしたのがピンチョス
・アドボ:魚介類や肉類のマリネ
・アルボンディガス:トマトソースやアーモンドソースで煮込んだミートボール
・カラマレスフリートス:薄力粉にひよこ豆をブレンドして揚げた、イカのリングフライ
・クロケータス:コロッケのこと。クリームコロッケが一般的。イベリコ豚の生ハム入りなども人気
バルと似たお店の意味を比べてみよう
バルと似たようなお店も、日本にはたくさんありますよね。バーや居酒屋、ビストロとの違いを解説します。違いを知っておくと、いつもとは違うお店選びができるようになるかもしれませんね♪
バルとバーの違い
バルもバーも綴りは同じBARですが、日本ではそれぞれのイメージが違います。どちらかといえば、バーの方が大人の場所という印象を受ける言葉です。
バーといえば一般的に、バーテンがカクテルなどを提供してくれる、アルコールがメインの夜限定のお店を指します。お酒が主役となるため、食べ物はナッツやチョコなどのおつまみ程度で、空腹を満たす場にはなりません。
他のお店で食事を済ませた後、2軒目などで立ち寄られることが大半です。バルでは食事もたっぷりと楽しめるため、大人っぽい雰囲気を楽しみたいときには、バルからバーへのハシゴが良いでしょう!
バルと居酒屋の違い
日本のバルは、スペイン料理とワインといった洋風のスタイルが一般的です。一方で、居酒屋は和食と日本酒やビールなどを座敷で楽しむシーンを想像しますよね。
つまり、日本でのバルと居酒屋の違いは、『洋風と和風、どちらの料理を楽しめるか』という点にあるといえるでしょう。誰とどのようなシチュエーションで利用するかによって、使い分けるのがおすすめです。
会社の同僚との打ち上げなど、大人数で騒ぎたいときには居酒屋で目一杯楽しめます。少人数で女子トークをしたいときなどは、バルの雰囲気が盛り上げてくれるはず!
フランス語のビストロとバルの違い
日本でバルに近いイメージで捉えられているものとして、ビストロも挙げられます。ビストロ(bistro)とは、フランス語で『小料理屋』という意味です。
日本にあるフランス料理のお店には格式別に6種類(※)の名前があり、その中でビストロはドレスコードなどがない、カジュアルな形式の料理店を指します。
日本でビストロといえば、高級なフレンチではなく気軽なお店がほとんどです。更に意味が広がり、フランス料理に限らず、洋食全般を提供している店も含まれています。
日本では、ビストロもバルも似たような意味合いになっていますが、大きく分けると、スペインやイタリアの気分ならバル、フランス風ならビストロというイメージで捉えておきましょう!
※6種類とはこれらの業態のこと。カフェ(Cafe)、ブラッスリー(Brasserie)、ビストロ(Bistro)、レストラン(Restaurant)、オーベルジュ(Auberge)、グランメゾン(Grande maison)
同じ言葉でも食文化で認識が変わる!
スペルが同じBARでも、食文化によってイメージは変わります。スペインやイタリアなどの文化が日本に取り入れられた後、日本独自のイメージを形づくっているのです。
それぞれの国でのBARの楽しみ方を知ると、日本のバルでも本場の雰囲気を想像しながら楽しめますよ◎
いろいろなバルを巡ると、「スペインの雰囲気がある」「イタリアのバールっぽい」などと感じるお店が見つかるかもしれません。友だちにも説明できる知識を身につけて、食文化ごとの違いも楽しんでみましょう!