イタリアンの基本知識を知ろう
もう大人だから食事の時のマナーを身につけたいけど、たくさんあって何から勉強すれば良いかわからない…。
そんな方も、まずはイタリアンの基本から知っておきましょう!
イタリアンレストランには、高級なお店からカジュアルなお店までいろいろあります。お店の雰囲気に合わせてマナーを守れると素敵ですね。
また、高級なお店でコース料理が出てきても慌てないように、イタリアンのコースについても知っておきましょう!
レストランには種類がある
一口にイタリアンレストランといっても、実はいくつかの種類があるのです。お店探しをしていて、『リストランテ』『トラットリア』「オステリア』『バール』といった言葉を見たり、聞いたりした人もいるのでは?
リストランテとは、いわゆる高級イタリアンレストランのことです。コース料理が提供されることが多く、静かな雰囲気の中で落ち着いて料理を楽しめますよ。
トラットリアは大衆的で、比較的カジュアルな雰囲気で利用できるお店のことです。コース料理を提供していることもありますが、気軽に本格的なイタリアンを楽しめます。
居酒屋に近い雰囲気なのが、オステリアです。トラットリアよりもさらにカジュアルな雰囲気なので、にぎやかにお酒や料理を楽しみたいときに使いやすいですよ。
バールとは、お酒を飲めるカフェのようなお店のことです。昼間はカフェ営業しているお店も多く、本格イタリアンメニューから創作料理までさまざまな料理を楽しめます。
それぞれ特徴や雰囲気が違うので、利用したいシーンに合わせて選ぶとよいですね。
コースは前菜から始まり、食後にコーヒー
コース料理はアンティパスト(前菜)から始まります。前菜は食欲をわかせるために出されるので、少量で彩りのきれいなものが出てくることがほとんどです。
続いて、最初のメイン料理であるプリモ・ピアットです。パスタ類が一般的ですが、リゾットやスープ、ピザから選べることもあります。
二つめのメイン料理であるセコンド・ピアットでは、魚料理や肉料理が選べます。ワインに合わせて料理を選ぶのもよいですね。
そして、イタリアンのコースでは、メイン料理後にサラダなどの野菜料理が登場します。サラダといっても生野菜ではなく、温野菜にオリーブオイルやバルサミコ酢をかけて食べることが多いです。
この後にチーズが出てくることもありますが、コース料理に含まれず、別料金となる場合もあります。食べたい場合は、お店の人に相談して選ぶのがおすすめですよ。
最後に、ドルチェ(デザート)とコーヒーが出てきてコースは終了です。コーヒーはエスプレッソが一般的ですが、紅茶やカプチーノなどいくつかの種類から選べることもありますよ。
イタリアンのマナー「着席編」
マナーが大切なのは、食事中だけではありません。テーブルにつく前から試されるものなのです。でも、難しいことは少ないので、知っておきさえすれば、当日は堂々とエレガントに振る舞えますよ。
椅子にはゆっくり座る
高級なお店では通常、椅子に腰をかけるときには、お店の人が椅子を引いてくれます。引いてもらった椅子の左側から体を入れ、お店の人が押してくれた椅子が足に触れたら、ゆっくり腰掛ければOKです。
このとき、テーブルからあまりに離れて立ってしまうと、座ってから椅子を引き直さなければならなくなり、スマートではありません。椅子の前に立つときは、テーブルと体の間にこぶし一つ分のスペースを空けて立つようにしてくださいね。
荷物は背中と背もたれの間に置く
バッグなどの荷物は、背中と背もたれの間に置くのが基本です。
同じテーブルで空いている椅子があれば、椅子に置いても構いません。荷物置き用のカゴなどが用意されている場合は、その中へ入れても大丈夫です。
荷物が大きくて、とても背中と背もたれの間に置けそうにない場合は、クロークに預けるのがおすすめですよ。
足元に置いてもよいですが、あまりに大きな荷物の場合は、サービスの邪魔になることがあります。また、お店の雰囲気を損ねることもあるので、クロークに預けるのが無難ですね。
携帯電話はマナーモードに変更を
どんなレストランであっても、食事の際には携帯電話やスマートフォンは、電源を切るかマナーモードに設定しておくことです。
せっかく食事を楽しんでいるのに、呼び出し音が鳴ってしまうと楽しい雰囲気が台無しですよね。静かなお店だと、周りのお客さんの迷惑にもなります。
お店に入ってから設定してもよいですが、できれば、お店に入る前に変更しておくとよりスマートですよ。
イタリアンのマナー「食事中編」
どんなときも落ち着いて振る舞うのが、高級店に見合ったマナーです。食事中も落ち着いてカトラリーやナプキンを扱い、万が一落としてしまったときでも、慌てず対応してくださいね。
カトラリーは持ち方や置き方がポイント
まずは、カトラリーの持ち方や置き方を確認しておきましょう!
ナイフやフォークがたくさん並べられている場合は、外側から順番に使っていくのが基本です。右手にナイフ、左手にフォークを持ち、人差し指を添えるようにして握ります。
飲み物を飲んだり、パンを食べたりするときは、ナイフとフォークはハの字型にしてお皿の上に置きます。食事が終わったら、ナイフとフォークをそろえて置けば、カトラリーの基本はばっちりです。
ナプキンはすぐに取ってはダメ
席についてすぐにナプキンを取るのはNGです。ナプキンを取るタイミングは、オーダーが済んだ後か飲み物をついでもらった後が、マナーとしてベターなので覚えておきましょう!
ソースやドレッシングのかかった料理を食べて、口元を拭きたいときは、ナプキンの端を持って、二つ折りにした内側で拭くとよいですよ。
席を離れるときのナプキンの扱い方は、軽くたたんで椅子の上に置くのが正解です。ただし、基本的に食事中に席を立つのはマナー違反なので、席を立つのは、どうしてもという場合だけにしてくださいね。
物を落としても自分では拾わない
カトラリーやナプキンを落としたとき、自分で拾うのはNGです。お店の人が対応してくれるまで待ちましょう!
気づいてもらえないときは右手を軽く挙げ、お店の人に合図するとスマートですよ。
高級で静かなお店ほど、お店の人は気を付けてお客さんの様子を見ているので、すぐに気づいてもらえるはず。間違っても、「すみません」などと大声を出さないように気を付けてくださいね。
イタリアンのマナー「食後編」
食べ終わっても気を抜いてはいけませんよ。席を立ってお店を出るまでのマナーも、しっかり覚えておきましょう!
ナイフとフォークはそろえて並べる
ナイフとフォークをお皿の上にそろえて並べれば、それが食事終了の合図になります。このとき、ナイフの刃先は左向きにして自分の方へ向くように、フォークは表向きにして並べておくと◎。
ナイフとフォークを置く位置は、英国式だと『6時』の位置に縦向きに、フランス式は『3時』の位置に横向きに置くのが正式とされています。しかし、イタリアンの場合は『4時』の位置に斜めに置けばOKです!
※異なる説もあります
ナプキンはくしゃくしゃにして置く
ナプキンは、くしゃくしゃにしてテーブルに置くのがマナーです。
きちんとたたんだ方がお行儀よく見えるのではないかと、思う人もいるかもしれませんね。しかし実は、きれいにたたんで置いてしまうと、『おいしくなかったです』というサインになってしまうのです。
くしゃくしゃにして置くのがどうしても気になる!という人は、角と角をずらすなどして、ラフにたたむとよいですよ。
イタリアンのマナー「食べ方編」
食べ方のマナーもしっかりと押さえておきましょう!普段はOKでも、高級レストランではNGなこともあります。一緒に食事する相手を不快にさせないためにも、ぜひ覚えておきましょうね。
パンは一口サイズにちぎる
パンは一口サイズにちぎって食べましょう!
バターがある場合は、ちぎったパンに塗ってから口に運びます。間違っても、パン全体にバターを塗ってからちぎらないよう、気を付けてくださいね。
ちぎるときに落ちてしまったパンくずは、気にせずそのままにしておいて大丈夫です。お店の人に任せておけばよく、自分でかき集めるようなことをするのはエレガントではありませんよ。
カジュアルなお店や集まりの場合は、ソースをパンにつけて食べるのもOKです。しかし、スープは絶対につけて食べてはいけません。こちらの食べ方は、お行儀が悪く見られてしまいますよ。
パスタはスプーンを使わないのが基本
パスタの本場イタリアでは、パスタはスプーンを使わずに食べるのが基本です。スプーンは、上手に食べられない子どもが使うものなのです。
日本のカジュアルなイタリアンレストランでは、パスタ用のスプーンが出されることも多いですが、高級なお店では基本的にフォークしか出てきません。
慣れないと苦労しそうですが、できるだけ端から少なめにパスタを引き出し、お皿の空いているところにフォークを立てて、くるくる巻けば上手くいきますよ。
ピザは手で食べてもOK
ピザは手で食べてもOKです!日本の場合は、レストランであっても、手で食べてもマナー違反とは見られません。
しかし実は、本場イタリアでは、ピザもナイフとフォークを使って食べるのです。イタリアにならうなら、ナイフとフォークを使うのが正しいマナーですが、手で食べてもOKとされています。
ピザを食べる際に大切なことは、何より冷めないうちに食べることです。それが、料理を作った人に対してのマナーでもあります。アツアツの状態だと手では食べにくいので、その場合は積極的にナイフとフォークを使うとよいですね。
イタリアンはマナーを守って楽しもう
マナーをまったく知らないまま高級レストランに行くと、恥をかかないか緊張してしまい、せっかくの食事を楽しめません。
しかし、イタリアンのマナーは特に難しいことはなく、知っていれば明日からでも実践できるものばかりですよ。
この記事で紹介したイタリアンレストランでの基本マナーをしっかり身につけ、大切な人と過ごす特別な時間を、ぜひ楽しんでくださいね。