あのロマンチックな物語の裏側…

おとぎ話に出てくるプリンセスってとってもロマンチックで幸せな物語の中にいる…。
そんなイメージ、ありますよね。
実は、みなさんが知っているあのおとぎ話の中には、「素敵なこと」だけじゃない、ダークな物語が秘められているんです。
グリム童話でダークな一面を覗いてみる?
グリム童話とは、1812年にドイツ人のヤーコプとヴィルヘルムというグリム兄弟が編纂した民話集のことで、そのストーリーにはダークで刺激的な要素が含まれていることが多いんです。
今回は、大人になった今だからこそ読みたい、ちょっぴり怖いグリム童話をご紹介します。
大人だからこそ読みたい、ちょい怖グリム童話
1|灰かぶり

まず紹介するのは、シンデレラでおなじみ『灰かぶり』のストーリーです。
シンデレラといえば、継母たちにいじめられていたある日、目の前に現れた魔法使いの力によって、ガラスの靴やドレスで変身して王子様と結ばれるという煌びやかなストーリーをイメージする人も多いと思います。
グリム版は、娘たちが靴を履こうとする過程や、シンデレラが結ばれた後に継母やその娘たちにする仕返しがかなり怖いものになっているんです。
ハッピーエンドだけでは済まされない結末に注目です。
灰かぶり(絵本・グリム童話)
¥1,650
原作:ヤーコプ・ルートビッヒ・グリム、ヴィルヘルム・カール・グリム
再話:矢川 澄子
イラスト:宇野 亜喜良
出版社:教育画劇
グリム童話ではガラスの靴が「金の靴」になっています。
継母と娘たちが思わずかわいそうになってしまうようなストーリー展開にゾッとしますよ。
2|いばら姫

次に紹介するのは、眠れる森の美女でおなじみ「いばら姫」のストーリーです。
眠れる森の美女といえば、15歳の誕生日に永遠の眠りにつくと呪いをかけられたオーロラ姫が、100年後王子とのキスで眠りから覚めて、めでたしめでたしというストーリーです。
しかし、グリム版ではお姫様に会おうとした他の王子たちの怖いシーンなどが収録されています。
ちなみにグリム以外の原作、ペロー版の『眠り姫』はさらに怖い展開になっているんだとか。
いばらひめ―グリム童話(評論社の児童図書館・絵本の部屋)
¥1,540
イラスト:スベン・オットー
訳:矢川 澄子
出版社:評論社
永遠の眠りについたお姫様が王子様のキスで目覚めるというロマンチックな物語だけではないグリム童話。
他の原作と比べて読んでみるのも楽しいですね。
3|ラプンツェル

次に紹介するのは、『ラプンツェル』のストーリーです。
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオでも映画化され、キャラクターと共にそのストーリーもとっても人気ですよね。
しかし、グリム版のラプンツェルは内容もかなり怖く大人向けのものなのです。
昼ドラのようなドロドロとした展開は、とても子ども向きとはいえない作品になっています。
ラプンツェル―グリム絵本
¥1,760
イラスト:バーナデット・ワッツ
翻訳:福本 友美子
出版社:BL出版
ドロドロとした原作を少し和らげ、基本的なストーリー展開はそのままに編集されているこちらの絵本。
ディズニー映画とストーリーを比べてみても良さそうです。
4|白雪姫

次に紹介するのは、『白雪姫』のストーリーです。
白雪姫のおおよそのストーリー展開は変わらないのですが、ディズニー映画や、子ども向けに編集された白雪姫のストーリーでは描かれない怖いシーンがグリム童話で読むことができます。
魔女のラストシーンも震え上がってしまうほど。
白雪姫(グリム童話)
¥1,650
イラスト:バーナデット・ワッツ
翻訳:ささき たづこ
出版社:西村書店
魔女が自分が一番美しくありたいと白雪姫に対してしたこともかなり怖い内容になっています。
本当は怖い白雪姫の物語がここに。
5|ヘンゼルとグレーテル

最後に紹介するのは、『ヘンゼルとグレーテル』のストーリーです。
幼い頃に読んで、お菓子の家に住んでみたいと思った人も多いのではないでしょうか。
グリム版のヘンゼルとグレーテルでは、二人の家庭環境やお菓子の家で起こった出来事が、かなり悲惨な内容に。
お菓子の家の印象がホラーな家に変わってしまうかもしれません。
ヘンゼルとグレーテル―グリム童話
¥1,870
イラスト:スーザン・ジェファーズ
訳:大庭 みなこ
出版社:ほるぷ出版
イラストも繊細で絵画のようなこちらの絵本。
美しい絵だからこそ、グリム童話の狂気さが伝わってくるはず。
グリムの世界にどっぷり浸かるなら…

グリム童話の怖さがわかったところで、絵本だけでは物足りない、怖いもの知らずの大人たちへ。
文庫本で読むことができるグリム童話集をご紹介。
初版に沿った完訳のグリム童話なので、思わずゾッとするスリルが味わえるはずです。
グリム童話集 5冊セット(岩波文庫)
¥4,807
翻訳:金田 鬼一
出版社:岩波書店
こちらは、岩波書店から出版されているグリム童話集です。
一度は削除されたという昔話も数多く収録されていますよ。