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ワンフレーズに惚れて気づけばレジに。儚く美しいタイトルの小説・詩集・エッセイ12冊

ワンフレーズで心を掴む、どこか儚く美しいタイトルのついた12冊の小説・詩集・エッセイをご紹介。桜庭一樹さんの『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』や橋本紡さんの『流れ星が消えないうちに』、江國香織さんの『真昼なのに昏い部屋』、森博嗣さんの『君の夢 僕の思考』、銀色夏生さんの『詩集 すみわたる夜空のような』などをチェックして。

更新 2020.03.05 公開日 2020.03.05
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本を手にするとき、まず目に入るのは

本屋さんへ足を運んで、読みたいと思う本を探す。
その時真っ先に目に入るのは「タイトル」。

タイトルはその物語や文章の世界観をもっとも表しているはずだから。
表紙に綴られたワンフレーズの言葉遣いに惹かれる本には、期待値も高まります。

今回は、ワンフレーズで心を掴むような、どこか儚く美しいタイトルのついた12冊の小説・詩集・エッセイをご紹介します。

きっと心惹かれる素敵な一冊が見つかるはず。

小説|Novel

孤独か、それに等しいもの

大崎善生/KADOKAWA

誰もが感じたことのある「孤独」という感情に向き合うきっかけを与えてくれる物語。
失うことは怖いけれど、もしかしたら失うことによって新しい何かを得られるかもしれません。

繊細な文章で綴られる5つのお話の世界に浸ってみてください。

憂鬱にとらえられ、傷つき、かじかんでしまった心を繊細に映しだし、灰色の日常に柔らかな光をそそぎこむ奇跡の小説、全5篇。

出典 hb.afl.rakuten.co.jp

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

桜庭一樹/KADOKAWA

思春期の脆さ、「死」へのまなざし、読み進めながら様々なことを考えさせられる一冊。
魅力的な登場人物に引き込まれ、一気に読み終えたくなるはず。
読了後、タイトルの意味にもハッとします。

ある午後、あたしはひたすら山を登っていた。そこにあるはずの、あってほしくない「あるもの」に出逢うためにーー子供という絶望の季節を生き延びようとあがく魂を描く、直木賞作家の初期傑作。

出典 hb.afl.rakuten.co.jp

流れ星が消えないうちに

橋本紡/新潮社

切なくも美しい、ロマンティックな恋のお話。
何かに悩んでいるあなたも、きっと前を向いていこうと思えるようになるはず。
「流れ星が消えないうちに」という美しく切ないタイトルの意味は、読了後にわかります。

高校で出会った、加地君と巧君と奈緒子。けれど突然の事故が、恋人同士だった奈緒子と加地君を、永遠に引き離した。加地君の思い出を抱きしめて離さない奈緒子に、巧君はそっと手を差し伸べるが…。悲しみの果てで向かい合う心と心。せつなさあふれる、恋愛小説の新しい名作。

出典 hb.afl.rakuten.co.jp

花のベッドでひるねして

よしもとばなな/毎日新聞出版

当たり前の日常を愛しく思えるような不思議であたたかな物語。
じんわりと染みる優しい文章が、疲れた心を癒やしてくれます。
一気に読みきるのもいいけれど、時間をかけて味わいながら、ゆっくり読み進めるのもおすすめです。

神聖な丘に守られた小さな村。みなしごの主人公と愛おしい家族ー。この美しい世界、生きる喜びを描き切った最高傑作!

出典 hb.afl.rakuten.co.jp

薬指の標本

小川洋子/新潮社

静かでおだやかで、だけどほんのりと狂気をはらんだ愛の物語。
標本室には、ひっそりとした神聖な空気が漂っています。
不思議なお話だけどまるで現実のように感じられる表現力が、小川洋子さんの魅力です。

楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡…。人々が思い出の品々を持ち込む「標本室」で働いているわたしは、ある日標本技術士に素敵な靴をプレゼントされた。「毎日その靴をはいてほしい。とにかくずっとだ。いいね」靴はあまりにも足にぴったりで、そしてわたしは…。奇妙な、そしてあまりにもひそやかなふたりの愛。恋愛の痛みと恍惚を透明感漂う文章で描いた珠玉の二篇。

出典 hb.afl.rakuten.co.jp

真昼なのに昏い部屋

江國香織/講談社

夫婦の形について考えたくなる、不倫を題材としたラブストーリー。
恋をした時のキラキラした気持ちや恋に落ちた後の世界の見え方などが丁寧に描かれています。

軍艦のような広い家に夫・浩さんと暮らす美弥子さんは、「きちんとしていると思えることが好き」な主婦。アメリカ人のジョーンズさんは、純粋な彼女に惹かれ、近所の散歩に誘う。気づくと美弥子さんはジョーンズさんのことばかり考えていたー。恋愛のあらゆる局面を描いた中央公論文芸賞受賞作。

出典 hb.afl.rakuten.co.jp

すべて真夜中の恋人たち

川上未映子/講談社

謙虚で不器用な主人公が、恋をして変わろうともがくお話。
リアルな描写は、恋したことがある人なら誰でも共感できる部分があるはず。
恋をしたときの苦く切なく、でも愛おしい気持ちを思い出して胸が締め付けられます。

「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々のなかで三束さんにであったー。究極の恋愛は、心迷うすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。

出典 hb.afl.rakuten.co.jp

やがて海へと届く

彩瀬まる/講談社

身近な人の死は、受け入れがたく、自分自身をも変えてしまう。
刻々と過ぎてゆく日常は残酷で、主人公の感情が流れ込んでくるように悲しみを感じます。
それでも前向きに生きていこうと力をもらえる、そんな物語です。

一人旅の途中ですみれが消息を絶ったあの震災から三年。今もなお親友の不在を受け入れられない真奈は、すみれのかつての恋人、遠野敦が切り出す「形見分けをしたい」という申し出に反感を覚える。親友を亡き人として扱う彼を許せず、どれだけ時が経っても自分だけは彼女と繋がっていたいと悼み続けるがー。

出典 hb.afl.rakuten.co.jp

エッセイ|Essay

もし僕らのことばがウィスキーであったなら

村上春樹/新潮社

ウィスキーが持つ魅力的な雰囲気を存分に味わえます。
このエッセイを読んでいると、なんだかウィスキーの芳醇な香りが漂ってくるようで、思わず美しい琥珀色のウィスキーを手に取りたくなりそう。
旅の思い出を追体験できるような紀行エッセイです。

シングル・モルトを味わうべく訪れたアイラ島。そこで授けられた「アイラ的哲学」とは?『ユリシーズ』のごとく、奥が深いアイルランドのパブで、老人はどのようにしてタラモア・デューを飲んでいたのか?蒸溜所をたずね、パブをはしごする。飲む、また飲む。二大聖地で出会った忘れがたきウィスキー、そして、たしかな誇りと喜びをもって生きる人々-。芳醇かつ静謐なエッセイ。

出典 hb.afl.rakuten.co.jp

君の夢 僕の思考

森博嗣/講談社

森博嗣さんの作品のなかから選りすぐられた言葉たちを写真と一緒に楽しめるフォトメッセージブック。
心に深く残る言葉がたっぷりと詰め込まれています。
君と僕の間、夢と思考の間にある「何か」を探りたくなるはず。

「孤独という自由を、人は恐れ、その価値を評価しないよう、真の意志の存在を忘れるよう、人は努力する」(『恋恋蓮歩の演習』より)。磨き抜かれた思考と、作品に込められた想いが凝縮した、著者自身によるフォトエッセィ。折にふれて取り出し、噛みしめたい言葉たち。

出典 hb.afl.rakuten.co.jp

詩集|Poem

詩集 すみわたる夜空のような

銀色夏生/KADOKAWA

透明感にあふれた、しっとりとした言葉が心にじわりと染み込みます。
長く綴られる小説と違ってさらりと読み終えることができますが、読了後、不思議な充足感を得られます。
銀色夏生さんの描く世界にぜひ足を踏み入れてみて。

片思いをしているすべての人に捧げます。銀色夏生、待望の本格詩集。

出典 hb.afl.rakuten.co.jp

空の青さをみつめていると 谷川俊太郎詩集Ⅰ

谷川俊太郎/KADOKAWA

孤独や生きる喜びと不安、愛などさまざまなテーマで書かれた谷川俊太郎さんの代表作を網羅した自選詩集です。
読んだ後、きっと青い空を見上げて自分自身の生き方を見つめ直したくなるはず。

1952年に『二十億光年の孤独』で鮮烈なデビューを果たし、日本を代表する詩人となった著者の1950年代~60年代の代表作を精選した詩集が、読みやすくなって再登場!著者によるあとがきも収録。

出典 hb.afl.rakuten.co.jp

一目惚れを、大切にして

一度目にしたら忘れられないような、心惹かれるタイトルの12冊の本をご紹介しました。
ワンフレーズにときめいた直感力を信じて、本を買ってみるのはいかがですか?

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