映える「プリン」がたくさん♡『魅惑のプリン』著者が語るプリンの魅力
ファッションやコスメだけでなく、おいしそうな食べ物の写真もたくさん並ぶInstagram。中でもスイーツは特に人気が高い投稿です。そんな中、ひときわ映える投稿で目立っているのが、「も。けん」さん(@mxoxkxexn)。プリンの食べ歩き写真から、プリンの自作レシピまで、素人とは思えないクオリティのさまざまなプリン画像を投稿されていて、ついには『魅惑のプリン』というレシピ本を出版しています。
も。けんさんに、プリンの魅力から、本のこと、映える写真の取り方まで、いろいろお伺いしました!
そもそもなんでプリンなんですか?
見ても食べてもかわいいプリン。でも、投稿画面が一面、ぜんぶプリンというのはなかなかすごいこと。なぜプリンの食べ歩きをするようになったのでしょうか?
「もともと好きだったカフェ巡りにテーマを持って周りたいと考えていた時期がありました。東出珈琲(石川県・金沢)のプリンを食べたときに、『プリンって大人になってもおいしい!』と思えたのが、注目したきっかけです。
プリンは量も多くなくて食べに行きやすいですし、基本の味がわかっているものの方が比較もしやすいですよね。
プリン巡りを始めた頃は、プリンが型から抜かれた状態で提供されるお店をInstagramで探して、手あたり次第行っていました。最近は自分でプリンを作る機会が多くなったので、今まで巡った中で気に入ったお店や、見た目が美しいお店を中心に周っています」(も。けんさん)
気ままにカフェ巡りをするのも楽しいですが、テーマを持って探すのも楽しそう。そして、情報探しはInstagramで。映えるものを探すのには欠かせませんね!
とはいえ、おいしい!の一言で終わってしまいがちな食べ歩き。 も。けんさんはプリンを食べに行った際は何を気にして食べてらっしゃるのでしょうか?
「見た目の印象が一番ですね。それからお皿を回してみて、角度を変えてプリンを見たり、スプーンで軽く叩いて硬さや弾力を確かめたりしています。次に味のバランスをみています。苦めのカラメルが好きなので、しっかりとした苦味とプリンの甘さや風味がまとまっているかに注目しています」(も。けんさん)
まさにプリンを堪能する「プリン道」ともいえそうな観察具合! すぐに食べないでいろいろ観察するのと、自分の好みを確認するのも、楽しむのに大切なことなんですね。
食べ歩きから自作へ進化
もともとお菓子作りが好きだったという も。けんさん。2020年のコロナ禍・外出自粛要請で、食べ歩きができなくなって、自作を始めたのだそう。そのレシピと写真をアップするようになったことで、『魅惑のプリン』の出版につながります。
プリンのレシピしか載っていないという、驚きのレシピ本『魅惑のプリン』。といっても、いろいろなプリン36種の美しい写真とレシピが載っていて、飽きる暇がありません。
「プリンを作る作らないに関わらず、手に取ってくれた方が驚くような1冊にしたいという想いがありました。レシピの数でも、写真のクオリティでも、『こんなプリンがあるんだ!』と感動したり興味を持ってくれたりしたらうれしいなと思っています」(も。けんさん)
プリンのレシピも写真も全部、 も。けんさんの手によるもの。撮っているのは、どんな機材なのでしょうか?
「CANONのEOS RPというカメラにCarl Zeiss planar 50mm f1.4などの単焦点レンズで使用しています。自然光の雰囲気に近くなるようライティングを心掛けています。順光でなくサイド光や半逆光になるように被写体を配置しています」(も。けんさん)
オールドレンズと呼ばれ、味がある写真が撮れるとファンの多いCarl Zeiss planar 50mm f1.4。スマホなら、アプリとフィルターを駆使すると、同じような表現ができるかもしれませんね。
「あとは、美しい写真を撮るためにはプリンへの愛情を持つことですね(笑)。どの角度が一番きれいに見えるか、どう光が当たったらプリンの輪郭が浮き上がるかなどは、撮り続けることで感覚が掴めると思いますよ。私もプロでもなければ、カメラに詳しいわけでもないので、試行錯誤を繰り返し、撮影に1品あたり2~3時間かかっていました」(も。けんさん)
まさに愛情! 1品に2~3時間かける情熱はすごいですね。そして、確かにMERY編集部でも食べ物写真を撮るときには「いいね! おいしそうだね!」と食べ物に話しかけている人が多いかも(笑)
他にこだわったポイントはどんなところでしょうか?
「卵白が余るレシピが多いので、卵白だけで作れる『白いプリン』や『グラスホッパープリン』で卵白を消費できるようにしています。あくまでもプリンの本なので、卵白の消費を目的とする、他のお菓子の紹介はしたくなかったんです。
そして、『基本のプリン』はレシピをインスタに投稿し始めた頃からほとんど変えていませんが、そのレシピを投稿する前には5~6回は試作を繰り返しています。何度作ってもおいしい、何度でも食べたいと思うレシピになりました」(も。けんさん)
ということで、MERYスタッフも「基本のプリン」作りに挑戦です!
編集部で「基本のプリン」を作ってみた

基本のプリン[材料]4個分
<カラメル>
グラニュー糖… 50g
水… 大さじ1
湯… 大さじ2
<プリン液>
卵… 2個
卵黄… 2個分
グラニュー糖… 60g
バニラビーンズ… 1/2 本
牛乳… 300g
好みの洋酒(チェリーブランデーなど)… 小さじ1
★今回はバニラペーストをバニラオイルに、リキュールをラムエッセンスに替えています。バニラペーストやバニラオイルの違い、おすすめのリキュールの種類などについては本に詳しく載っているので、気になる方はチェックしてくださいね。
また、カップがなければ、使い捨てのアルミカップや耐熱のコップなどでも作れるそうですよ。

[下準備]
・オーブンは150℃に予熱する。
・卵と卵黄は常温に戻す。
[作り方]
<カラメルを作る>
1.鍋にグラニュー糖と分量の水を入れ、中火にかける。茶色く色づき始めたら、全体が均一になるようにときどき鍋をゆすりながら加熱する。
2.粘度の高い泡からゆるい泡に変化し、全体に黒く焦げ色になったら、分量の湯を加える。
※湯は熱湯が◎。加えるときはハネによる火傷に注意!

3.鍋をゆすって全体になじませ、火を止める。耐熱容器に均等に入れる。
※耐熱容器がガラス製の場合、湯煎で容器を温めてからカラメルを入れると、温度差による割れを防げる。

<プリン液を作る・焼く>
4.ボウルに卵を割り入れ、卵黄とグラニュー糖を加え、ホイッパーで泡立てないよう、卵白を切るようにしてよくときほぐす。
5.バニラビーンズはさやに縦に切り目を入れ、包丁の背で種をこそげ取る。
6.鍋に牛乳を入れ、5の種とさやを加えて中火にかける。鍋縁に小さな泡がふつふつと出てきたら火を止め、ふたをして10分おいてバニラの香りを移す。

7.牛乳を4に2~3回に分けて注ぎ入れ、ホイッパーでそのつどしっかりと混ぜ合わせ、好みの洋酒を加えて混ぜる。
※洋酒は入れなくてもOK。
★今回は5、6を省き、7でバニラオイルとラムエッセンスを数滴入れています。

8.茶こしでこす。
※ほぐしきれなかった卵白などを取り除く。

9.カラメルの入った耐熱容器に均等に注ぎ入れる。バットに移し、カラメルの高さまで40℃くらいのぬるま湯を注ぐ。
※プリン液の表面の泡は取り除く。
10.予熱したオーブンで30分ほど湯煎焼きにする。粗熱がとれたら冷蔵庫で一晩冷やす。

<盛りつける>
11.スプーンの背で耐熱容器の縁を軽く押さえながら1周させ、生地を容器から離す。
12.下に皿を用意し、耐熱容器の側面にナイフを差し入れ、容器の内側に空気を入れるようにして、プリンを軽くおさえる。

13.耐熱容器を傾けて、プリンを皿に取り出す。取り出しにくければ、側面にナイフを入れて1周させてから、容器の上に皿をのせて素早くひっくり返し、皿と容器を押さえながら上下に軽くふる。容器をそっと持ち上げてプリンを取り出す。

美しいプリンが完成しました!!!!
今回は生クリームがあったので、ホイップを作って絞ってみました。カラメルの苦み、プリンの優しい甘味がたまりません♡
手早くカフェ風プリンを楽しむには
「作りたいけど、そんな時間がない」「オーブンを持っていないんだけど……」という方には、こちらがおすすめ。市販のプリンにバニラアイスを乗せ、コーヒーシロップをかけるアフォガードプリンです。
[コーヒーシロップ]
・インスタントコーヒー…3g
・グラニュー糖…3g
・お湯…大さじ2
コーヒーシロップはインスタントコーヒーを溶かすだけのお手軽レシピ。これならいつでも簡単に自宅でカフェ級のプリンを楽しむことができますね♡
プリンの魅力を堪能できる『魅惑のプリン』
プリンの美しい写真は見るだけでも癒やされますが、「まずは作ってみるという行動を起こしてほしい」と、 も。けんさんは語ります。
「何気なく食べていたプリンも、作ってみないとわからない難しさや奥深さがあります」(も。けんさん)
プリンを作るのも、写真を撮るのも、うまくいかなくても、何度でも挑戦してみてくださいね。きっとそこには、“魅惑のプリン”の世界が広がっているはず♡
魅惑のプリン 36の美しいプリンと本当は内緒にしておきたいお店(立東舎 料理の本棚)
¥1,540
息をのむほど美しいオリジナルのプリンと、プリンがおいしいお店めぐりの記録をInstagramで投稿する「も。けん」さん初のレシピ集。
やさしい食感の「基本のプリン」から始まり、とろとろ、もちもちの食感を楽しむプリン、ブラジルやベトナムなど異国情緒たっぷりのプリン、卵・牛乳不使用のヴィーガンプリンなど、老若男女を虜にする魅惑のレシピを36種類収録。
巻末には「も。けん」さんの投稿でもたびたび登場する“プリンが映える器"について、本当は内緒にしておきたいとっておきのプリンを提供するお店の情報などのコラムネタも満載。