建物の前の女性
伊東ししゃもアイコン伊東 ししゃも
お気に入り

みんな選挙行ってる?「Z世代の政治に関する意識調査」の結果を大解剖!

SHIBUYA109エンタテイメントが運営する若者マーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.」による「Z世代の政治に関する意識調査」の調査結果をご紹介します! 今、Z世代の政治への関心が高まりつつあることや、若者が感じている政治の課題、どうしたらZ世代のみんなが選挙に行きやすくなる? 関心を持ちやすくなる? などなど、Z世代ならではの視点の意見が盛りだくさんな調査結果を一挙公開します。Z世代ならではの、SNSの活用法とは?

更新 2021.08.27 公開日 2021.08.29
目次 もっと見る

大学生たちの本音を聞いた!「Z世代の政治に関する意識調査」

みんな、選挙に行ったことはありますか?

「選挙権はあるけど選挙行ったことない…」
「どんな基準で政治家を選んだらいいの?」

そんなお悩みを抱えている人も少なくないはず。周りの人とあんまり積極的に話すような内容でもないから、みんながどう思っているのかもわからない…。

今回は、SHIBUYA109エンタテイメントが運営する若者マーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.」が、選挙権がある18歳以上の大学生などを対象に行った「Z世代の政治に関する意識調査」の調査結果をご紹介します。

これは、東京都在住の18歳〜24歳の大学生・短大生・専門学校生400人(男女200人ずつ)に行ったアンケートと、大学生の男子4人、女子4人の計8人に行ったグループインタビューの結果です。

みんな、政治についてどう思ってるの? そんなリアルが垣間見える結果となっています。ぜひ一緒にチェックしていきましょう。

Z世代のみんなはどのくらい政治に関心があるの?

1:「あなたは今後、選挙があれば投票をすると思いますか?」

選挙があれば投票する? そんな問いにはなんと45.8%もの人が「必ず投票すると思う」と回答。「投票したいがまだわからない(日時や場所による)」が32.0%と、全体の約8割のZ世代に投票意向があることがわかります。

でも実際は、若者の投票率は低いともされており「投票はしたいと思っているけれど、できない」もしくは「結果的に選べない」といった事情が、もしかしたらあるのではないでしょうか。

2:「あなたが政治に関して興味があることは?」

政治に関して興味があることを聞くと、「新型コロナウイルス・感染症対策(50.3%)」「税制度(消費税など)(34.3%)」と続き、Z世代の生活にも直結する感染症対策や税制度に対する関心が高いことがわかります。

女性は「LGBTQ関連政策」「子育て支援」「女性の活躍」が全体よりも高い結果となりました。グループインタビューでも、女子学生からLGBTQやジェンダーなどの社会課題に対する話題も数多く挙がっていたそうです。

あなたは今、どんな事柄に興味関心がありますか?

3:「政治に興味を持ったきっかけは?」

これは政治に興味があると回答した方324名(男性162名、女性162名)への質問です。政治に興味を持ったきっかけとして、1位「テレビ(42.9%)」2位「授業(36.7%)」3位「コロナ禍での政府の対応(30.6%)」と続きます。

また男性を中心にTwitterの割合が高かったり、グループインタビューでは「TikTokで政治に関する動画を見て、そこから関連動画で政治に関する動画が多く表示されるようになった」などの意見が挙がったりと、政治に関する情報がより身近になりつつあることもうかがえますね。

Z世代が考える政治の課題、第1位は「若者の投票率の低さ」

1:「あなたが考える、政治に関する課題はなんだと思いますか?」

続いてZ世代に「政治の課題」を聞いてみたところ、1位は「若者の投票率が低い(39.8%)」となっています。

一方で、「自分が投票したことで、政治が変わった実感がない(34.0%)」、「若者向けの政策がない(32.3%)」といった意見が挙げられるなど、なかなか自分ごと化しにくい現状もあるのかもしれませんね。

グループインタビューでは「アメリカ大統領選は日本でも盛り上がるし、友達との話題にも上がる。投票者がお酒を飲みながら、お互いに気軽に意見を言い合える雰囲気がある。日本はイベント感もなく重い話題になり、周りとも話しにくいから投票率が低くなる気がする」といった声が挙げられているそう。確かに周りと政治の話はしにくい風潮がありますよね。

2:「政治に興味を持つために、どのようなことが必要だと思いますか?」

もっとより多くの若者が政治に興味を持つにはどうしたらいいのか尋ねたところ、「ネット投票(38.0%)」「選挙の投票をしたらもらえるクーポンや割引(27.5%)」と、まずは投票のしやすさや「若者が選挙に参加するきっかけ作り」を望む声が聞かれました。

もっと気軽に選挙ができるようになればいいのに…って、確かに思いますよね。

さらに「同年代の人たちとの意見交換の場(25.0%)」「政治家からのSNS発信(24.3%)」「芸能人・インフルエンサーからのSNS発信(24.3%)」といった同年代や政治家、芸能人・インフルエンサーなど、さまざまな目線からの政治に対する意見を知る機会を持ちたい、という声も挙がっています。

政治に関する情報収集、ちゃんとできてる?

1:「普段政治について、どのように情報収集をしていますか?」

「政治に関する情報収集方法」については、「テレビ(60.5%)」、「ニュースサイト・アプリ(48.3%)」「Twitter(43.3%)」という結果となりました。

グループインタビューでは、「ニュースアプリでは自分が気になるニュースをチェックしている。Twitterは友達なども気になっているニュースがわかり、テレビは自分が興味ないものも知ることができるので見ている」など、それぞれの媒体の特徴を理解しながら、日々のニュースを見ている学生もいるようです。

2:「あなたは投票する人を決める際、どのような情報を参考にしていますか?」

また、選挙の際に投票するための情報収集でも、「テレビ(29.3%)」が1位となりました。次いで「候補者のポスター(25.0%)」「候補者からのチラシ(24.3%)」など、候補者個人からの正式な発信を参考にしているという声が挙がります。

一方で、グループインタビューで挙げられた意見として「Instagramのストーリーズでも候補者の公約まとめが回ってくるので、それを参考にしている」「投票した後は、Instagramのストーリーズで投票したことをシェアしている」など、SNSを積極的に活用し、政治の情報収集を行ったり、自身の選挙への参加姿勢をシェアしたりする実態もあるようです。

Instagram、Twitter、それともTikTok? SNSから政治の情報に触れたことはありますか?

3:「政治に関するニュース、どうやって信憑性を確かめてる?」

そんなZ世代は、インターネット上での情報の信憑性をどのように確かめているのでしょうか。これについて尋ねたところ「特に確認はしない」が21.8%に留まるなど、約80%は情報の信憑性を確かめながら、参考にしているようです。

判断方法は、「発信者を確認する(55.0%)」「同じ事象に対して発信している他の投稿を見る(36.8%)」「個人ではなく、テレビやニュースの情報を調べる(30.0%)」などが挙がり、「誰が」発信しているのかを重視している傾向にあるようですよ。

Twitterの投稿の信憑性を見るときは、いいね数、リツイート数、コメント数を確認するなど、匿名性のあるSNSでは、ほかの人の反応を見ることで、その信憑性を判断するという意見もあるそうです。

匿名性が高かったり、意図的に切り取られたりして拡散されることもあるインターネット。情報を得るときは慎重に内容を確認するようにしていきたいですね。

公約やマニフェストをもっとわかりやすく! SNSの活用を求める声も

1:「あなたは投票する人を決める際、どのような点を重視しますか?」

では、Z世代はどのように選挙で投票する先を決めているのでしょうか?

投票する際の重視点を聞いたところ、「候補者の公約・マニフェスト(34.5%)」が最も高く、次いで「政党の公約・マニフェスト(26.8%)」となり、政党よりも個人を重視していることが明らかになりました。

一方で、なんとなくで決める、という人も25%いるようですね。まだまだ政治に関する関心が薄い人も多そうです。

マニフェストと言われても、しっかり守られてるのかどうかも不透明で、なかなか信じにくいというのもあるのかもしれません。

2:「どんな情報を政治家から知りたいですか?」

次に、政治家から知りたい情報を聞いたところ、「自身の公約・マニフェスト(47.3%)」「自身の公約・マニフェストの背景や理由(39.5%)」「自身の公約・マニフェストの進捗状況(36.5%)」と、公約・マニフェストだけではなく、その背景や理由、その後の進捗状況について、候補者自身の言葉で発信して欲しい、という声が挙げられています。

グループインタビューでも、「公約・マニフェストを掲げている理由や背景がわからない」「公約・マニフェストが今どうなっているのかわからない」という不満の声も。

また、「自身の公約・マニフェストの背景や進捗状況も発信してくれた方が、誠実さも伝わり、応援したくなる」といった声も挙げられたそうですよ。

3:「政治家からどのように情報発信をしてほしい?」

政治家からどのように情報発信をして欲しいか聞いたところ、「Twitter(50.0%)」「テレビ(39.0%)」「動画配信サービス(31.8%)」となりました。

グループインタビューでは「テレビだと、番組の都合で発言がカットされてしまうこともあるので、Twitterで短くわかりやすく伝えてもらったり、動画配信サービスを通して、政治家自身の言葉をしっかりと聞きたい」という意見が挙がったようですよ。

「政治」と「若者」がお互いに歩み寄るためには?

Z世代の特徴のひとつに「共感できる人や物を応援したい」という傾向がある中で、応援対象に求められていることは「結果」ではなく「過程」と「ストーリー」。

それは選挙についても同じで、公約を掲げた背景や公約達成に向けた活動の過程の共有、さまざまな社会課題に対する候補者のスタンスなどが求められているのだと、調査の結果からわかりました。

調査を行った「SHIBUYA109 lab.」の所長は、こう分析します。

「求められている情報が彼らの生活の中心となっているSNSで共有されることで、政治や候補者がより身近な存在となり、『政治』と『若者』双方の歩み寄りを加速させることができるのではないでしょうか」

まだまだみんなが求める「ネット投票」などの実現が難しい中で、それでももっと政治を身近に感じられるようになれば、ほんの少しまた、政治への関心が高まるのではないでしょうか。

自分たちの国や自治体のリーダー、政治を担う人々を選ぶ大切な選挙。「どんな人にリーダーになって欲しいか」「どんな政策を重視して欲しいか」「その人は本当にマニフェストを実現してくれるのか」。求めるポイントは人それぞれでいいんです。他人事だと思わずに、自分なりに政治について考えてみて。

そして「私はこんなふうに思う」「こんな人がいたらいいよね」ってみんなとシェアして、もっとみんなと政治の話ができるようになればいいですね。

【調査概要】
『Z世代の政治に関する意識調査(WEB調査)』
調査対象:東京都在住の18〜24歳の大学生・短大・専門学校生400名(男性200名、女性200名)
調査期間:2021年7月
調査方法:WEBによるアンケート調査

『Z世代の政治に関する意識調査(グループインタビュー)』
調査対象:大学生 男子4名、女子4名(2グループ、合計8名)
調査方法:グループインタビュー

spacer

RELATED