ストロベリームーン
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全世代が大注目の純愛小説♡『ストロベリームーン』の作者にバズった秘密をインタビュー!

小説『ストロベリームーン』がZ世代を中心に大ヒット中。今回は、著者の芥川なおさんと編集者のおふたりに直撃インタビューし、制作秘話とプロモーションについて伺いました。

更新 2024.02.07 公開日 2024.02.07
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今、Z世代を中心に小説『ストロベリームーン』が大ヒット中! 著者の芥川なおさんと編集を担当したすばる舎の上江洲安成さんに、制作秘話やTikTok、アドトラックなどを使ったプロモーションについて、そして反響を受けての想いを直接聞いてきました。

純愛小説『ストロベリームーン』ってどんなストーリー?

2023年の4月に発売された、芥川なおさんによる小説。

ストーリー
「ねえ、佐藤君、ストロベリームーンって知ってる?」ーー高校の入学式、1年生の佐藤日向は学校一の美少女・桜井萌と衝撃的な出会いを果たす。入学式遅刻した日向は、自分になぜか積極的にアプローチしてくる萌と、なんと出会った初日につき合うことに! 日向と萌はメッセージのやり取りやデートを重ね、好きな人と一緒に見ると永遠に結ばれるという神話がある赤い満月「ストロベリームーン」を見に行く。そんな幸せな時間を過ごしていたのもつかの間、日向は萌の余命が少ないことを知る。自暴自棄になった日向は、萌の母親から萌の日記を渡される…。

男子高校生の友情あり、日向と萌の純愛に涙が止まらない大号泣必至の1冊と言われ、Z世代を中心に大人気。

今回は、著者の芥川なおさんと編集を担当したすばる舎の上江洲さんに、作品の誕生したきっかけや、小説をバズらせる秘密をインタビューしてきました。

「ロマンチックな伝説が心に響いた。純愛小説を書けると思った」(芥川さん)

ーー『ストロベリームーン』を書くきっかけを教えてください!
 
芥川「5〜6年ぐらい前に、“ストロベリームーンを好きな人と一緒に見ると永遠に結ばれる”という伝説があることをテレビのニュースで知ったんです。

それがすごくロマンチックだなと思って調べてみたら、イチゴのように赤く見える月だからとか、イチゴが収穫できる6月に現れるからなどの諸説でストロベリームーンと言われることがわかって。素敵な伝説だな、と頭に残っていました。

それまで私が小説を書く時の題材は、エンターテインメント系が多かったんです。

それで、その伝説をヒントに、1回ガラッと作風を変えて、純愛小説を題材にしたらどんなことが書けるんだろう…と、自分自身に投げてみたんです。そうやって『ストロベリームーン』が誕生しました。

私の中にあるピュアなものを全部、この小説に溶け込ませられたと思ってます」

「文字で人の心を動かす小説家ってすごい。自分も書いてみたい」(芥川さん)

ーー本作がデビュー作ではありますが、ずっと小説は書かれていたんですね。
 
芥川「商業出版はしたことがなかったんですけど、書いた作品を応募して、いいところまで評価されたものもありました(笑)。
 
小説を書くきっかけは、誉田哲也先生の『Qros(キュロス)の女』と、家の本棚にあった野沢尚先生の『魔笛(まてき)』に出会ったこと。それ以前はあまり本を読まない人間だったんですよ。書店で『Qrosの女』の綺麗な装丁に惹かれて手に取ったことと、家の本棚に『魔笛』が同時期にあったことが小説を書くきっかけでした。

とにかくすごくおもしろかったです! 『魔笛』はスピード感に引き込まれ、『Qrosの女』は構成が面白く、何より読後感が素晴らしく良かったんです。

“文字で人の心を動かす小説家ってすごい職業だな”と思いました。

映像だと、みんなが見る映像や声は同じですが、小説は、まず第一印象は表紙で判断される。見た瞬間に惹かれるか、あまり好きじゃないと思われたとしても興味を持ったら中の文章を見て判断される。文章から、登場人物の描写や声などの想像はその人次第になるから、言葉でうまく伝えられないと、心を動かしてもらえないし、読んでもらえない。

それで、“自分が物語を紡ぐと、どういう話ができるのか”と問いかけながら書いてみたら、ある程度の形になったので、それを周りの人たちに読んでもらったんです。そしたら、“おもしろいよ”と言ってくださる方が増えていったので、本格的に小説を書いてみようと思いました。

ただ、小説家としてデビューできるチャンスってなかなか巡ってくるものではないので、今回はご縁をいただいて、本当にありがたいなと思ってます」

ーー純愛とは遠いジャンルを読んでいたにも関わらず、バズる純愛小説を書き上げられるのはすごいです!

芥川「人って恋愛してる時のほうがパワーが出るとよく言いますし、恋愛に関心が高い人が多いですよね。だから、恋愛をテーマにするのはアリだな、と。

好きな人ができてエネルギッシュになっている自分が好きと感じることや、好きな相手を思いやる気持ちを書きたかった。優しさもテーマにしたいなと思ったんです。

あとは、私自身が、サプライズや人の喜ぶ顔を見るのが好きなので、自分が今までにやってもらったこと、やってきたことに近いことを、この作品の中に表現しようと思えたので、描けたのかもしれないです。

これは持論ですが、恋愛と小説って一緒だと思っているんです。興味があると相手を知りたくなるから、観察したり情報を集めたり。小説もハマると、どんどん先を知りたくなるから、ページをめくる手が止まらなくなる。

ただ、好みは人それぞれ。10人が全員いいっていうものなんて世の中にない。だけど、ひとりでもいいと言ってもらえることが増えればいいな、そしてそれがどんどん増えていけばいいなという思いでも書きました」

小説のネタになると思ったら、つねにスマホのメモ機能に入力

ーー小説を考えるためのネタ集めはどうされているんですか?
 
芥川「何かを感じたり、おもしろいと思ったことがあったら、すぐスマホのメモ機能に入力します。例えば、電車の中で話してる人たちを登場人物に見立ててみたり、友人や知人との会話、たまに街中で見かけたりする大声で歌ってる人や怒ってる人…いろんなおもしろネタがヒントになったりするので、すぐにメモ。

それから、夢の内容もメモります(笑)。夜中の睡眠中に、夢を見て、“これは書かなきゃ”と思ったら、起きて少し寝ぼけながらもメモ。夢って忘れちゃうから、これは絶対覚えていなきゃっていうものは入力しておきます。

あと、ミーハーなのも大事なのかもしれません(笑)。TikTokは毎日見るようにしていて、どんなものがバズるのかなどをチェックして、小説のネタやプロモーションの参考にしています」

「バズらせるには、まわりの推しも必要。とくに書店員さんの協力には感謝しかない」(芥川さん)

ーー『ストロベリームーン』は、Z世代へ向けた小説ですよね。
 
芥川「そうですね。これから恋をするであろう、中高校生。または、初恋が近い大学生や20代が読むことをイメージして書きました。それと、ふだんあまり本を読まない人でも読みやすいように、行間を結構広めにしたり、難しい言葉をあえて使わずに工夫しました」

ーーZ世代に手に取ってもらえたらバズるっていうことも考えていたんですか?
 
上江洲「Z世代は特に流行を察知するスピードはものすごいので、意識はしていました。今回、ストロベリームーンのプロモーション動画の2つが、TikTokで合計300万回再生もいったんです。本の売り上げも一気にバンってはねました」

芥川「私みたいな新人作家だと、普通は書店さんに売り場なんて作ってもらえないことが多い。それを、営業さんが売り場を作っていただけるよう、書店さんに話をしてくださって、本当にありがたかったです。バズったはいいけど、売り場に行ったら本がなかったらダメなので。今回は、売り場もしっかり作ってアピールをしてもらえたので、たくさんの方に読んでいただけたと思っています」
 
上江洲「TikTokも売り場もそうですけど、デビュー小説にしてはかなり異例の展開をしていただきましたね。昨年は、動画がバズったことによって、ストロベリームーンが見られる6月4日に向けて、すごく話題になっていたんですよ。同じタイミングで小説もさらに売り上げが増えました」

芥川「昨年10月には未来屋小説大賞にノミネートもしていただきました。発売前に本を応援するWEBサイト『NetGalley(ネットギャリー)』さんに掲載したゲラを書店員さんが読んでくださったり、すばる舎の営業さんが作品を推してくれて、全国の書店員さんたちがその熱にほだされて読んだらハマってくださって…」
 
上江洲「一緒に編集を担当したメンバーがもともと営業マンだったので、書店さんとの関係性もすでに築きあげていたんです。やっぱり本を売るためには、現場の書店さんをいかに巻き込めるかが大事。小説は特になんですけど、書店員さんの口コミだったり、売り場の愛情がこもっているPOPで売り上げが変わると思ってます」
 
芥川「私も店頭にいる書店員さんたちをリスペクトしています。どんなにいいものでも現場の熱がないと、手に取ってもらえないし、売れないと思ってるんです。書店にあるPOPは、その作品への愛情や熱が現れていますよね。

結局、好きじゃないとその作品をおすすめできない。作品を売ることは、推し活に近いのかなって感じてます。

ちなみに、日本で1番『ストロベリームーン』を売っていただいてるのは未来屋書店の姫路大津店さん。そこは、売り場の見せ方を定期的に変えてくれるんです。また、未来屋小説大賞が発表されて、10位までに入れなかった時も、SNSで、“私の大賞はストロベリームーンです”と激推ししてくれて、感激しました。
 
私は顔出しをしていないので、街歩きをした時に、時々書店に立ち寄って、心の中で“ありがとうございます”と、書店員さんたちに御礼を言ってます」

年イチでストロベリームーンや恋愛イベントを盛り上げられるムーブメントになるかも!

ーーストロベリームーンは、実際にある現象なので、その時期になったら思い出す作品だなとも感じました。
 
上江洲「そう言っていただけるとありがたいです。1年に1回、必ず来る現象なので、日本の新しい恋愛のムーブメントみたいなものになれば嬉しいなと思ってます(笑)」

芥川「昨年も、ストロベリームーンだから告白してみようかな、デートに誘ってみようかなっていうコメントがSNSであふれていたんですよ。恋愛の力みたいなものが日本中で動いた気がしました」

小説としては異例のスイーツコラボやアドトラックでもプロモーション!

上江洲「プロモーション的な話でいうと、6月のストロベリームーンの時期までに小説を読んでもらって、たくさんの人に気持ちを盛り上げてもらいたいと思い、発売日を4月末に設定したんです。

それから、ストロベリームーンが現れる6月には、1ヶ月間、自由が丘スイーツフォレストさんとコラボ企画をやって、とくにZ世代に届くようにしました。ストロベリームーンをイメージしたドリンクやスイーツ、主人公の日向くんと萌ちゃんをイメージしたドリンクを楽しめる企画でした」

ーーバレンタインシーズンのような盛り上げですね。
 
上江洲「今後はストロベリームーンがバレンタインくらい盛り上がってくれるとうれしいですね。

実は、昨年の6月3日(6月4日のストロベリームーンの前日)には、アドトラックが渋谷をぐるぐる走り回るプロモーションもしました。アドトラックを使ったのは、小説では初めてかもしれないです(笑)。

また、今年は、バレンタインがある2月の時期に、フルーツサンドで有名なダイワさんとスイーツコラボをするんです!

すごくおいしくて、かわいいスイーツに仕上がっていますので、ぜひ『ストロベリームーン』を読みながら、食べてもらえると嬉しいです」
(※詳細は、記事の最後をチェック)

ボイスコミックには、大人気の声優さんが参加!

©花衣ソノ

上江洲「昨年の8月1日には、ボイスコミックも発表してるんです。『ストロベリームーン』のシーンを全部で10個ピックアップして、ネタバレにならない程度に漫画化して、声もつけていただきました」

芥川「花衣ソノ先生に絵を描いていただいて、日向くんと萌ちゃんのイメージにぴったりの絵で、すごく気にいっています」
 
©花衣ソノ

上江洲「声優は、日向くん役が『僕のヒーローアカデミア』の爆豪勝己などの声をされている岡本信彦さん、萌ちゃん役が『鬼滅の刃』の竈門禰豆子などの声をされている鬼頭明里さんです」

芥川「すごくご活躍されているふたりにお願いできて、本当に嬉しいです。豪華キャストで、日向くんと萌ちゃんに命を吹き込んでくれて、感動しました」

年齢関係なく心がピュアな人が感動してくれている作品

ーー出版から約10カ月。いろんな反響が届いていると思いますが、どう受け止めてらっしゃいますか?

芥川「発売から半年間、作品に対する評価は、基本的には全部見ました。特にうれしかったコメントは、“悲しい物語は好きじゃない。だけど、この物語は悲しい以上に美しかった”っていうフレーズ。それから、“めちゃめちゃ泣いたけど、なんで泣いたかわからない”っていうご意見。あとは、作品の中に出てくるひまわりの絵を感想用のハガキに書いてくださった方もいて、それも感動しました」

上江洲「感想のおハガキも、本当にいろんな年齢層の方々から弊社に送られてくるんです。“親子で読んでます”という人も多いですし、“老春しています”という感想を送ってくれた70代の方もいました」

ーーフルーツサンドのコラボに協力していただけるダイワの大山皓生社長も、初めて小説を読んでボロ泣きだったそうで。
 
芥川「本当にうれしい限りですよね。この作品は、心がピュアな人が感動してくれている印象です。大山社長のように、“初めて本を読んで泣いた”って言ってくれる人も多いみたいです。みなさんが心の中に持ってるピュアな部分を、私がくすぐることができていれば嬉しいです」

アナザーストーリーでさらに盛り上げたい

ーー今後もいろんなプロモーション展開をしていくんですか?
 
芥川「そうですね。日向くんの幼なじみ・高遠麗(たかとおうらら)ちゃん側から見た片思いのアナザーストーリーを書きたいと思ってます。

実は作品の中で、まだ伏線回収をしていないものもあって。読者のみなさまからも麗ちゃんがどうなったか気にする声もいただいています。

『ストロベリームーン』では、日向くんと萌ちゃんのふたりだけの世界にしたかったので、高遠麗ちゃんのキャラは立てなかったんですけど、本来は主役になれるぐらいの人物だと思ってます。だから、片思いの切ない恋心のストーリーは書きたいなと思ってます」

ピュアで泣けるストーリーはもちろんのこと、コラボ企画や書店さんのご協力により、発売から約10カ月経っても、話題の『ストロベリームーン』。今後の展開も楽しみです!

あのフルーツサンドで有名なダイワとコラボサンドが誕生!恋みくじもついてる

ストサン

期間:2月7日(水)〜3月14日(木)
販売店舗:ダイワ・ダカフェ6店舗
(ダカフェ本店、ダカフェ高隆寺店、ダカフェイオンモール豊川店、ダイワ中目黒、ダカフェ恵比寿店、ダイワ博多)
対象商品名:『ストロベリームーンサンド』 1個¥300(税込)
種類: 2種類(パン生地ピンク色×生クリーム×あまおう、パン生地茶色×チョコレート生クリーム×紅ほっぺ)
応募方法:対象期間に2個以上買った人にダイワ・ダカフェ各店の店頭で「オリジナル恋みくじ」を引いてもらい、 当たりが出たら本or図書カード+小冊子をその場でプレゼント!

【景品】
1.『ストロベリームーン』1冊×100名
2.『与える人になりなさい じいちゃんと僕たちの、フルーツサンド行進曲』1冊×100名
3.ストロベリームーン図書カード ¥1,000分(+『ストロベリームーン』の小冊
子)×100名
のいずれか合計300名が当選!

Z世代から大反響の『ストロベリームーン』

ストロベリームーン

■書名 『ストロベリームーン』
■著者名 芥川 なお
■販売価格 ¥1,540 
■発行 株式会社すばる舎

著者:芥川 なお(あくたがわ・なお)
兼業作家。大分県中津市出身。本書がデビュー作。芥川姓は本名。

画像は、イラストレーターの谷本ヨーコさんが芥川なおさんをイメージして描いた公式ポートレート。

*Staff*
Interview&Text:Natsuki Miyahira

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