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iDeCoのメリット・デメリットって?働き方や収入による違いも要check

老後に向けて資産をつくる方法として、iDeCoがあります。iDeCoにはたくさんのメリットがありますが、始めるならデメリットも理解しておくことが大切です。iDeCoのメリットやデメリットのほか、職業などの属性による条件の違いについて解説します!

更新 2022.06.07 公開日 2022.06.19
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iDeCoがあれば、節税もできて老後も安心?

「国民年金や厚生年金だけでは老後が不安だから…」
「ちょっとでも節税をしたい!」

そう考えたときに選択肢として浮かんでくるのが、私的年金のiDeCo(イデコ)。

使いこなせればとっても便利な制度にも思えますが、これから始めるならメリットだけでなく、デメリットもしっかり押さえておきたいもの。

今回は、iDeCoにまつわる基礎知識から気になるメリット・デメリットまで、しっかりと解説していきます◎

iDeCoの基礎知識をおさらい!

iDeCoは日本語にすると『個人型確定拠出年金』のこと。そう言われても、ピンとこない人が多いかもしれません。まずはiDeCoがなんなのか、どんな人が加入できるのかをチェックしましょう!

自分で資産運用をする年金制度

iDeCoは老後の備えとして利用できる、私的年金(国からもらえる年金にプラスできる制度)の一つ。

自分で決めた分の掛金を拠出(積立)し、金融商品を選んで運用していきます。そして60歳以降に、運用でプラスになった分と積み立てた掛金を、年金や一時金として受け取れる、という仕組み。

日本では国の年金として『国民年金』や『厚生年金』はありますが、それだけでは不安と思う人も多いはず。将来に備えて、公的年金に上乗せできるのがiDeCoなんですね。

iDeCoは一つの金融機関(運営管理機関)を選んで加入の申し込みをすると、積立を始められます。選べる金融商品は金融機関によっていろいろで、定期預金やプロにお金を預けて運用してもらう投資信託などがあります。
掛金は月5,000円から設定できて、1,000円刻みで上限額までは積み立てられますよ。

加入には条件アリ

基本的には60歳未満で、国民年金や厚生年金に入っている人なら、誰でもiDeCoに加入可能。会社員や自営業・専業主婦など、職業にも制限はありません。

ただし、一部に例外も。たとえば個人でビジネスをしている自営業者の中で、農家が対象の『農業者年金』に入っている人はiDeCoに加入できません。国民年金を支払っていない人も、基本的にはiDeCoを使った積み立てができません。

勤め先の企業で『企業型確定拠出年金(事業主が主体になる年金制度)』に入っているケースだと、規約によってiDeCoを使える・使えないが決まります。企業型確定拠出年金の規約をよく読んでおきましょう!

iDeCoって節税対策になるの?

Pinkoi

“iDeCoは節税にもおすすめ”とよく耳にする人も多いはず。とはいえ、実際どんなメリットがあるのでしょうか?節税の面で、メリットになることを三つ紹介します。

掛金はすべて所得控除となる

iDeCo最大のメリットともいえるのが、1年間でiDeCoの積立に使った金額がすべて『所得控除』になること。所得控除とは、所得税や住民税のベースになる『課税所得』から、一定の金額を差し引く(控除する)ことをいいます。

所得税や住民税を計算するときには、所得からさまざまなものを控除し、課税所得金額を出します。所得税ではその年の課税所得、住民税では前の年の課税所得がベースです。

たとえばiDeCoで月々2万円を1年間積み立てると、2万円×12カ月=24万円が課税所得から引かれます。所得税や住民税の税率を仮にそれぞれ10%とすると、その年の所得税と次の年の住民税で合計4万8,000円の節税に!

ただ、所得控除を受けるには、年末調整や確定申告などの手続きをしなければなりません。iDeCoで節税対策をしたいなら、忘れないよう、注意してくださいね。

運用益に税金がかからない

金融商品の運用で出た利益(運用益)に税金がかからないのも、iDeCoの大きな特徴の一つ。投資で利益が出たときには普通、プラスが出た分に対して約20%の税金がかかります。

一方、iDeCoでは運用でプラスになったお金にも税金がかかりません。1万円の利益を出したとき、8,000円に減ってしまうのと1万円まるまる残るのとでは、まったく違いますよね。

ただ、iDeCoは老後に向けた積立なので利益が出てもそのたびに現金を受け取ることはありません。『再投資』といって、元の掛金にプラス分を足して運用を続けます。

その後は『最初の掛金+利益分』が元本(運用の元手)になるため、資産を増やしやすくなるのです。これを『複利効果』と呼びます。

普通の投資なら再投資のときに税金が引かれますが、iDeCoは運用益から税金を引かれることはありません。まるまる元本に追加でき、その分お金が増えやすくなるところがポイント◎。

受け取るときにも控除枠がある

老後にiDeCoで運用した資産を受け取るときにも、課税所得から一定の額までは控除されます。iDeCoの受け取り方は、『一時金(一括)』『年金(5〜20年間で年に複数回)』と、両方の組み合わせの3種類です。

一時金としてまとめて受け取るときは、その金額のうち、積み立てた年数によって決まる控除額までは、『退職所得控除』として課税所得から引かれます。

ただし、会社から退職金が出る場合、退職金とiDeCoの一時金を合わせた金額が控除額を超えた分は、課税所得となるので注意しましょう。

年金で受け取るときに適用されるのは、『公的年金等控除』です。こちらも受け取った分と国民年金・厚生年金の額を合わせた金額が控除額を超えた分は、『雑所得』として課税対象になります。

どちらの場合も、控除額は働き方やiDeCoで積み立てた期間・受け取るときの年によって変わることに要注意です。詳しく知りたい人は、政府やiDeCoのホームページで調べてみて。

節税効果のほかにもメリットがある◎

BASE

iDeCoのメリットとして、払う税金が少なくなることがよく挙げられます。ただ、iDeCoにはほかにもメリットがありますよ。どんな魅力?

コストの低い投資信託が多い

iDeCoで選べる金融商品の中には、『投資信託』があります。投資信託とは簡単に言うと、個人から集めたお金を使ってプロが株や債券などを運用する商品。

投資信託は普通、買うときにも持っているだけでも『購入手数料』『信託報酬』などのコストがかかります。種類によっては、このコストが意外とかかるケースも。

もし投資した投資信託が値上がりしても、コストが高すぎればトータルではマイナスになってしまうかも。一方、iDeCoでは購入手数料がかからない商品が多く、信託報酬も安く設定されていて◎。

ただし、iDeCoに加入するときの手数料や、運用中の口座管理手数料などはかかりますよ。

運用商品を自分で選べる

iDeCoでは、どんな商品にいくら掛金を割り当てるかを、自分で細かく決められます。定期預金や保険・投資信託などの金融商品から選んで、元手(掛金)の範囲で好きな分だけ買えるのです!

たとえば、掛金を毎月2万円にする場合、そのうち5,000円を定期預金に回し、残りをいくつかの投資信託に振り分けるという方法もあります。それぞれの金融商品の割合は、いつでも変更できますよ。

最初のうちはマイナスが出ない定期預金を多めにして、投資の勉強をしてからほかの商品の割合を多くするという運用の仕方もできます。

ちなみにiDeCoでどんな商品が選べるかは、口座を開設する金融機関によって違います。iDeCoを始めるときには、しっかり比較してみてくださいね。

転職しても持ち運びができる

iDeCoの資産は転職や退職で環境が変わっても、必要な手続きをすれば持ち運びできます。たとえば、転職先に企業型確定拠出年金がある場合、iDeCoの資産をそちらに移すことができるのです。

企業型確定拠出年金の規約で認められている場合なら、そのままiDeCoを継続する方法もあります。

また、転職先に『確定給付企業年金(一定の年齢で決まった金額を受け取れる制度)』がある場合、規約によってはiDeCoの資産を移すこともできますよ。転職のときには、その企業がどんな年金制度を用意しているのか確認しましょう!

転職先に特別な年金制度がなく、そのままiDeCoを続けるなら、必要書類を金融機関に出すだけでOKです。

iDeCoのデメリットとは?

BASE

iDeCoにはいろいろなメリットがありますが、デメリットもしっかり把握しておきたいところ。iDeCoを利用する上で気をつけたい、三つのデメリットを解説します!

元本割れのリスクがある

資産が最初に出した元手より減ってしまうことを、『元本割れ』といいます。iDeCoで最終的に受け取れる金額は、自分の運用によって決まります。うまくプラスをつくれないこともありますし、時には元本(元手となる掛金)より減ってしまうしれません。

元本割れしない定期預金や保険などの商品もありますが、それだけだとプラスも出にくいのが悩みどころです。せっかく老後の資産をつくるなら、できるだけ増やしたいと思う人も多いはず。

プラスをつくりやすい金融商品は値動きが大きく、元本割れのリスクも高くなります。どれだけの資産をつくりたいかだけでなく、元手を減らしてしまう可能性も考えて金融商品を選びましょう!

株や値動きの大きい投資信託を多めに運用して大きなプラスをつくりたいなら、事前にしっかりと勉強してくださいね。

基本的に60歳まで引き出せない

iDeCoで運用を始めると、基本的に60歳までは引き出せません。急にお金が必要になったとき、iDeCoに資産が貯まっていても使うことはできないのです。iDeCoはあくまでも、老後の資産をつくるのが目的ということですね。

状況によっては、『脱退一時金』として受け取れるケースもありますが、国民年金の保険料を免除されていることをはじめ、多くの条件を満たす必要があります。

基本的に引き出せない前提で考えて、掛金の金額や運用の仕方を決めるのが安全です。もし途中で続けるのが難しくなったときは、掛金を減らしたり積立を停止したりといった対応も可能なので覚えておくと◎

掛金には月の上限がある

掛金分の所得控除やプラスの分に税金がかからないと考えれば、「なるべく掛金を増やしたほうがよいのでは?」と思う人もいるはず。

ただ、月ごとの掛金には上限が決められています。余裕があるだけiDeCoの運用につぎ込むというわけにはいきません。

上限は国民年金や厚生年金といった『公的年金』のうち、何にどんな形で加入しているかによって決まります。自営業やフリーランスなど、『第1号被保険者』は6万8,000円です。

勤務先に何も年金制度がない会社員は、2万3,000円が上限となります。会社に企業型確定拠出年金があれば2万円、確定給付企業年金や厚生年金基金があれば1万2,000円が上限。

ほかにも、公務員は1万2,000円、パートナーの扶養に入っている専業主婦・主夫は2万3,000円と、保険の加入状況によって積み立てられる額が違ってきます。

メリット&デメリットは、働き方や収入によっても変わる!

出典dbgirl.jp

iDeCoは一般的に見れば、節税効果があっておすすめの年金制度です。ただ、働き方や収入の状況によっては、基本のメリットを感じにくい人もいます。どんなケースがあるのでしょうか?

公務員の場合

公務員は、iDeCoの積立の上限額が月1万2,000円と、1番低い金額が設定されています。自営業や民間の会社員と比べて、公務員は退職金や国が定める年金制度で優遇されていると考えられているから。

とはいえ公務員の年金は、2015年10月から、『職域加算』と呼ばれる上乗せ年金がなくなりました。その結果、年金の支給額は下がっている傾向に。

iDeCoは掛金がすべて所得控除として差し引かれるといっても、そもそも掛金が少なければ大きな節税にはならないのです。月に2万円以上も積み立てられる人よりは、メリットを感じにくいですよね。

ただ、年々減っている年金だけに頼るのではなく、少しずつでもiDeCoで積み立ててプラスを狙ったほうが安心できるかもしれません。

家族の扶養に入っている場合

家族の扶養に入っている人は、収入が低いかゼロというケースが多いですよね。そもそも所得税を支払っていなければ、iDeCoの大きな特徴である『所得控除』は特に意味がありません。

130万円の扶養枠内で働いているケースでも、所得控除のメリットを感じにくくなります。

とはいえ、専業主婦・主夫は退職金がもらえないことを考えれば、老後のためにiDeCoで資産形成をしておくのは一つの手。60歳以降にまとめて受け取っても、退職所得控除の額に収まっていれば税金がかかることもありません。

運用で出た利益には収入にかかわらず税金がかからないので、iDeCoを使わずに株や投資信託を買うよりも資産を増やしやすくなりますよ。

iDeCoのメリット・デメリットを知っておこう◎

老後の資金を貯められるiDeCoは、上手に使いこなせるかどうかがポイントになってきます。メリットを知っていれば効果的に利用できますし、デメリットがわかっていれば使い方に気をつけることができますよね。

運用には元手を減らすリスクもありますが、自分の努力次第で、iDeCoで生活に困らない老後を実現できるかもしれません。

ただ、働き方や収入によってもメリットやデメリットが変わってくるので、始めるかどうかは自分の状況をよく考えて決めましょう!

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