C. TRIA クッキー
田中いつき
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コオロギを食べると未来が変わる!?意外とおいしい「コオロギクッキー」を食べてみた

最近、ときどき聞くような気がする「コオロギ」を食べるということ。ちょっとびっくりしちゃうけれど、栄養面でも環境面でもとてもいいことなんだとか。食用コオロギを生産している(株)グリラスのCEOであり、徳島大学大学院社会産業理工学研究部・助教でもある渡邉さんに「コオロギ食」についてのお話を伺いました。

更新 2021.09.29 公開日 2021.09.30
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環境に負荷が少ない食べ物としてのコオロギについて、大学の先生に聞いてみた

日本では食事周りの社会的な話題というと、もっぱら「食品ロス」や「フードロス」といった、作り過ぎてしまったり、売れ残ったりした“余ったご飯”をどうするかということですよね。

でも世界的には、実は食料が足りなくて、それをどうやって解決するのか、というのが目下の課題なんです。

食べ物があふれる日本に暮らしていたら、とてもそうは思えないですよね。

食糧不足は、人口が増え続けていることや、地球の気候変動によって今まで栽培できていた作物が栽培できなくなってしまうことなどが原因とされています。

そうした課題を解決できるのでは? と期待されている動きのひとつが、なんと「コオロギ」!

小さなあの虫が食料不足の解決にどうして繋がるのか、食用コオロギの生産を手掛ける「グリラス」のCEOで徳島大学大学院社会産業理工学研究部・助教でもある渡邉崇人さんにお話を伺いました。

そもそもコオロギ、食べて大丈夫なんですか!?

無印良品で販売されて一躍有名になった「コオロギせんべい」。実はあのせんべいに使われているコオロギパウダーはグリラスが徳島県で育てているもの。

「フタホシコオロギというコオロギを、常時100万匹くらい飼育しています。このコオロギは東南アジアなどに住むコオロギで、もともとその土地では食用にされていた虫です。食べても大丈夫です」(渡邉さん)

日本では今でこそ、虫を食べる文化は少なくなりましたが、実はバッタの仲間であるイナゴやクロスズメバチの子などは、よく食べられているものでした。

そうした文化がなくなっていったのは、お店でお肉を買えるようになって、質のいいタンパク質が食べられるようになったから。人間の歴史からすると、ごく最近まで、昆虫を食べていたといっても問題はないレベルなんです。

コオロギは栄養たっぷり!身体にもいいんだって♡

とは言っても、コオロギを食べるのはさすがに抵抗が……。

コオロギは、殺菌、乾燥という工程を経て、パウダーにされます。コオロギをあの姿のまま丸ごと食べようというわけではないので、ご安心を!(笑)

「栄養価はとても高くて、タンパク質はもちろん、ビタミンやミネラルの他、オメガ3という今話題の脂質も含まれています。殻ごとパウダーにしているので、無駄なく栄養を取ることができます」(渡邉さん)

グリラスではコオロギパウダーとして、無印良品など食品を生産する会社に納品するほか、自社でオリジナルのクッキーやチョコバーを作っています。

「コオロギの味は実は育て方によって変わります。雑に育てると臭みが出ちゃうんですね。今、グリラスで育てているものは豆っぽい風味がしたあとに、エビのような動物系の旨味を感じます。ちゃんとおいしいものを作って、広げていきたいと思っています」 (渡邉さん)

ライターが実際にコオロギクッキーを食べてみた!

gryllusのクッキー

グリラスで販売しているのは「C. TRIA クッキー ココア/ハーブ&ガーリック」と「C. TRIA クランチ」。

今回は「C. TRIA クッキー ココア/ハーブ&ガーリック」を食べてみました。ココア味は一般のココア味クッキーと差がわからないレベル。 ハーブ&ガーリック 味は、ややスパイシーなスナック菓子を思い起こさせるクッキーでした。

いずれも、まったく普通のクッキーとの違いがわからず、何とレビューするか悩んでしまうほど(笑)。きっと言われなければコオロギ入りということはわからないと思います。1枚9gのクッキーでココア味では0.8g、 ハーブ&ガーリック では1.1gのたんぱく質が含まれているとのこと。おやつでもたんぱく質が補給できちゃう、というわけ。

コオロギが環境にやさしいと言われるのはどうして?

実は、スーパーでいつでも買えるようになったお肉の元である牛や豚を育てるためには、環境に大変な負担がかかっているのだそう。

「現在行われている畜産業は環境への負荷が高くて、効率が悪いものなんです。たとえば、牛では大量に牧草と水が必要になることや、牛が出すゲップに含まれるメタンガスに温室効果があることなどが、問題視されています。このままの畜産業のあり方では、増え続ける世界の人口に対応するだけの食料を作ることができない、と言われています」(渡邉さん)

2013年に、FAO(世界食糧農業機関)が世界の食料不足の解決方法のひとつとして、栄養価が高い昆虫食を推奨する報告書を出しました。そうした流れが世界的にあって、いろいろな国で昆虫を食べる取り組みが進められているのだそう。

コオロギが未来を変える?

具体的に、コオロギはどの辺が環境にやさしいのでしょうか?

「コオロギは牛と同じ量のタンパク質を得るのに1/12のエサで済みます。また、育つのもとても早くて1か月でOKです。そして、コオロギはエサを選ばないということもあります。蚕(カイコ)なら桑の葉というように、一般的に虫はひとつのエサしか食べないのですが、コオロギは雑食で何でも食べてくれるんです。さらに、サイズ的にも比較的大きい。そうした理由で食用にする昆虫としては、コオロギが向いていると言えると思います」(渡邉さん)

黒い体にタンパク質がそんなに含まれているんですね。

「グリラスでは現在、加工食品を作るときに出る食品残渣をエサにする試みを進めています。近い将来には100%切り替えるつもりです。こうすることで、食品ロスを減らしていくこともできます。また、徳島大ではコオロギを自動で育てられる機械を試作しています。もっと大規模に生産ができるようになれば、価格も下げられるようになっていくと思います」 (渡邉さん)

人間が捨ててしまうはずだった、まだ食べられる食品ロスを食べてタンパク質を作ってくれるコオロギ。持続可能な食料としても注目できそうです。さらに自動化で、もっと簡単に育てられるようになると、日本のみならず、いろいろなところへコオロギパウダーが流通し、飢餓に苦しむ人のところへも食料が届きやすくなるかもしれません。

遠くはない、コオロギとともにある食卓

スーパーやドラッグストアで見かけることが増えてきたコオロギせんべいやクッキー。見たことのない食材に挑戦するのには、ちょっと冒険心が必要かもしれません。けれど、食べてしまえば、クセも少なく「こんなものか」と拍子抜けしてしまうほど。

栄養もたっぷり摂れるので、むしろ積極的に食べていきたい食材として、日常的に食卓に登場する日も遠くなさそうですよ。

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