謝罪の言葉をうまく伝えるポイントって?
誰かに謝罪をする時、どんな方法を選びますか?
直接伝える・手紙・メール・電話・ビデオ通話などなど、今はさまざまな手段がありますよね。
たとえ同じ言葉を使ったとしても、直接話す時とメールで謝罪する時とでは、相手への伝わり方も変わってくるはず。
そこで今回は謝罪の方法別に、言葉をうまく伝えるコツを一緒に学んでいきたいと思います!
直接の謝罪や電話で伝える場合
対面や電話で謝罪するときは、表情や身振り、声のトーンなど、言葉以外の情報が加わります。本気で謝罪しているかどうかは、態度や表情を見ればすぐにわかってしまうでしょう。
また、謝る側と謝られる側の間には、責任の見積もり方に大きなギャップがあります。謝る側は自分の責任を軽めに見積もりがちですが、相手はそうではありません。
全力で謝罪しても、6~7割程度しか伝わっていないと考えてもいいくらいですよ。相手の気持ちになって、少し大げさと思うくらいの態度で謝罪する心構えが大切です。
メールや手紙で謝罪する場合
謝罪のメールや手紙は、できるだけ早く送るのが基本です。トラブルが発生しているのにいつまでも謝罪がなければ、相手はこちらの対応に不信感を抱く場合も…。
ミスやトラブルが起こったら、まずは相手に謝罪の一報を入れましょう。原因究明や解決策の提案に時間がかかる場合は、「明らかになり次第、ご報告します」と伝えれば問題ありません。
メールや手紙は相手側に残る文書です。誤字脱字には十分に注意しましょう。送信前に、上司や同僚にチェックしてもらうと安心ですよ。
ビジネスシーンで使える言葉、NGな言葉
謝罪で使うフレーズの種類一覧
「ごめんなさい」や「すみません」は、ビジネスシーンにふさわしい言葉ではありません。「申し訳ありません」や「お詫びします」を使って謝罪しましょう。
謝罪の理由や程度によっては、次のフレーズも使えますよ。
・最大級のお詫びを表明:謝罪の言葉もございません・幾重にもお詫び申し上げます
・遅刻や途中退席などを謝る:ご迷惑をおかけしました・大変失礼いたしました
・反省の気持ちを伝える:猛省しております・以後気をつけます
良い謝り方と悪い謝り方を比較してみよう
謝罪をしたつもりが、かえって相手を不快にさせることもあります。次のような謝り方をしていないか、振り返ってみましょう。
・お詫びの言葉がない
・事情を先に説明する
・自分の責任を認めない
・『誤解』を使う
例えば「ご迷惑をおかけしました。すぐに業者に連絡して対応させます」のような言い方は、お詫びの言葉がない上に、責任を他者になすりつけている印象を与えます。
「弊社の不手際により、ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした」と、自分の責任を認めるのが良い謝り方です。
また、「今回は〇〇の理由で遅れてしまい、申し訳ございませんでした。」のように、謝罪の言葉の前に事情を述べると、言い訳がましく聞こえてしまうかもしれません。
「申し訳ございませんでした。実は〇〇の理由で遅れてしまいました。」と、先に謝罪の言葉を述べる方が、相手の耳にしっかり届くはずです。
『誤解』という言葉も謝罪には不適切です。誤解には『相手が勝手に解釈した』というニュアンスがあり、自分のせいではない、なんなら相手のせいだ、と言っているように受け取られてしまいます。
謝罪の手紙を送りたい場合は?
製品の不具合や手続きのミスなどが原因で顧客に迷惑をかけた場合は、手紙で謝罪するのが基本です。
手紙を送る目的はお詫びと同時に原因や解決策を示し、今後も関係を維持してもらうことにあります。謝罪の手紙について、マナーや例文を見ていきましょう!
手紙の書き方、出し方
謝罪の手紙は『前文』『主文』『末文』の構成で作成します。前文にはお詫びの言葉を単刀直入に書きましょう。謝罪が主目的なので、時候の挨拶や前置きは不要です。
主文ではトラブルの原因や再発防止策、損害への対応策などを説明します。言い訳や責任転嫁と取られるような表現は避け、客観的な事実を伝えるようにしてくださいね。
末文ではこれまでと変わらぬお付き合いをお願いし、最後にもう一度お詫びの言葉を述べて締めくくります。
なお、便せんと封筒は白無地を使います。封筒は中身が見えないよう、二重になっているタイプや厚手のタイプを選びましょう。
手紙で謝罪を伝える際の例文
手紙の文章は、トラブルの内容や相手によって変わるものです。似たような事例を参考にして、適宜アレンジしましょう。主な前文の例を掲載します。
・接客クレームへの謝罪:「この度は、弊社販売員〇〇の接客態度により、大変不愉快な思いをさせてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます。」
・発注ミスの謝罪:「この度は、弊社の発注ミスにより多大なるご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございませんでした。」
メールで謝罪文を送る場合は?
メールで謝罪する場合も手紙と同様に、お詫びから入ってお詫びで締めくくるのが基本です。ただしメールには件名のつけ方や挨拶の仕方など、手紙にはない要素もあります。謝罪メールの書き方と例文を見ていきましょう!
メールで送る謝罪文の作り方
メールで謝罪するときは、開封されやすい件名を心掛けましょう。どんなに心のこもった謝罪文を書いても、読まれなければ意味がありません。
ビジネスでは日々大量のメールをやり取りするため、相手が謝罪メールに気づかず、関係がこじれてしまう可能性もあります。
重要語句を【】で囲んだり、『〇〇についてのお詫び』と具体的な内容を盛り込んだりすると、見つけてもらいやすくなりますよ。
本文は通常の挨拶から始め、次に謝罪の言葉を述べます。その後に原因や対応策を説明し、再度謝罪の言葉を書いて締めくくりましょう。
メールで謝罪する際の例文
手紙に比べて気軽に送信できるメールでは、言葉選びに細心の注意を払う必要があります。状況や相手に合わせて適切な言葉を使えるように、普段から意識しましょう。
謝罪メールの末文の例を、シーン別に掲載します。
・社内向けの謝罪:「私の不注意でご迷惑をおかけしましたことをお詫びいたします。」
・取引先への謝罪:「大変ご迷惑をおかけいたしまして、申し訳ございません。」
・重大なシステム障害や手続きミスなどで顧客に深刻な迷惑が及んだとき:「この度は、多大なるご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。」
謝罪は相手の心に響くことが大切!
謝罪においては、あなたの言葉が相手の心に響くかどうかが大切なポイント。ミスを素直に認めて早く謝罪することで、相手の心証が良くなり、関係を修復しやすくなりますよ。
シチュエーションにあった謝罪の言葉を身につけ、仕事に生かしていきましょう!