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二重敬語ってなに?よくあるNG例やチェックに使うツールもご紹介

二重敬語は同じ種類の敬語を重ねた誤用です。言葉の意味や成り立ちをきちんと理解しておけば、二重敬語は防げます。「れる・られる」や「させていただく」など、ビジネスでよく使ってしまう二重敬語の例と、便利なチェックツールを知っておきましょう。

更新 2021.08.05 公開日 2021.08.08
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二重敬語って?

ビジネスシーンや目上の人と話す際に、言葉遣いに気をつけようとしてやってしまいがちなミスが“二重敬語”です。
丁寧に言葉を選んだつもりが、逆におかしな言い回しになってしまった…というのは避けたいですよね。

敬語をより正しく使えるように、二重敬語とはどんなものなのか一からおさらいしてみましょう!

一語に同じ種類の敬語を重ねて使うこと

二重敬語とは、“1語に同じ種類の敬語を二重に使うこと”を指します。敬語は1つ付ければきちんと意味を持つものです。尊敬語に尊敬語、謙譲語に謙譲語など、同種の敬語を重ねて使うことは、日本語として正しくありません。

二重敬語を防ぐコツは、敬語を1つの文章につき1個だけ使用することと、敬語を文章の最後に使うように意識することです。

社会で容認されている二重敬語もある

二重敬語は基本的にNGとされていますが、実は社会で認められている二重敬語もあるんです。例えば「お伺いします」は、厳密には『お』と『伺う』が謙譲語なので二重敬語ですが、違和感を感じにくいですよね。

「ご覧になっていらっしゃる」という言葉も、「ご覧になる」と「いらっしゃる」という2つの敬語を使っていますが、問題ない表現です。敬語と敬語の間に接続助詞の『て』が入っている場合は『敬語連結』と呼ばれ、正しい文法として扱われます。

二重敬語のNG例を見てみよう

二重敬語は注意すべきと頭では分かっていても、慣れないうちはつい使ってしまうもの。効率よく覚えるため、ビジネスの場でよく使われがちな二重敬語の形を、使用例と合わせてご紹介します!

尊敬語を重ねて使う「れる」「られる」

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ビジネスの場で特に使ってしまいがちな二重敬語が、“尊敬語を重ねた二重敬語”です。すでに動詞が尊敬語になっているのに、さらに尊敬の意味を持つ助動詞『れる』『られる』を付けることで、二重敬語となってしまうのがよくあるケースです。

他にもよく耳にする例が、「おっしゃる」という尊敬語に『れる』を付け、「『おっしゃられる」という二重敬語にしてしまう表現。これは、敬語を使い慣れた社会人でもついやってしまいがちなパターンです。

「お見えになられる」「お戻りになられる」「ご覧になられる」なども、つい使ってしまう二重敬語として有名なので注意しましょう◎

最初に「お」や「ご」をつける文言

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すでに尊敬語として成立している言葉の最初に『お』や『ご』を付け、二重敬語にしてしまう例も多々あります。

「連絡させていただく」に『ご』を付けて「ご連絡させていただく」としたり、「拝読する」に『ご』を付けて「ご拝読する」としてしまったりする使い方は、ついやってしまう人も多いのでは?

ただし、世の中に広まって容認されている言い回しも、一部にはあります。例えば、「召し上がる」という尊敬語に『お』を付けた「お召し上がりになる」は、本来なら二重敬語なのでNGです。しかし、この言い方に違和感を覚える人は少ないはず。

時代の流れや広がりによって、誤りでも受け入れられる、ということがあるのが言葉の面白いところ。

「させていただく」は謙譲語に付けるとNG

「させていただく」はビジネスの場で頻繁に使用するため、誤用も多い表現です。「させていただく」の『いただく』は謙譲語なので、さらに謙譲語に付けると二重敬語になってしまいます。

例えば、謙譲語の「伺う」に「させていただく」を付けて「伺わさせていただく」とする表現や、「拝見させていただく」「申し上げさせていただく」などは二重敬語です。

「させていただく」はもともと、「申し訳なく遠慮する気持ちがあるが、許可があればしたい」という意味を含んでいます。そのため、丁寧さを出したいときに使いがちな表現ですが、謙譲語と重ねて使うのはNGなのです。

二重敬語のチェックには校正ツールを

二重敬語は、文法や言葉の成り立ちを理解することで回避しやすくなります。とはいっても、いざビジネスの場で敬語を使うとなると、つい引っかかってしまうものです。

敬語をちゃんと正しく使えているか不安…という人は、ミスを防ぐために“校正ツール”を活用するのもいいかもしれません。

指摘ポイントを教えてくれる「so-zou.jp」

ビジネスシーンでの正しい日本語の使い方に自信がないときには、『so-zou.jp』という文章校正ツールがおすすめです。

『so-zou.jp』は検索対象の文章をコピーペーストするか、URLから文章を読み込ませることで文章を解析し、表現のミスや不適切な用法を見つけ出すことができます。ブラウザで使えるので、インターネットに掲載されている文章を調べるときにも便利ですよ。

二重敬語はもちろんのこと、ら抜き言葉や二重否定、助詞の『て・に・を・は』の不足など、自分では見落としがちな細かい表現も解析してくれます。無料で利用できるので、気軽に使える点も魅力的です◎

修正箇所が見やすい「valuepress」

『valuepress』という校正ツールでは、指摘部分に色がつきます。修正箇所がひと目でわかるので、「具体的にどこを直せばいいのかわからない」「急いで間違いを正したい」という人におすすめです。

画面全体もシンプルで、初めて使う人でも扱いやすいのがポイント。二重敬語をはじめとする言葉の誤用のほか、入力ミスや分かりにくい表現の指摘もしてくれます。このツールも『so-zou.jp』と同様に、無料で使えますよ。

普段から二重敬語に気をつけて話そう

社会人は敬語を日常的に使用するからこそ、二重敬語を使ってしまいがちです。同じ種類の敬語を重ねないように注意すれば、誤用も少なくなるでしょう。ビジネスシーンでよく使う正しい敬語表現を、いくつか覚えておくのもおすすめですよ◎

ただし、どんなに気をつけていても、慣れないうちはミスしてしまうものです。校正ツールなどをうまく活用しながら、正しい敬語が使える社会人を目指しましょう!

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