いじらしく帰るにはまだ早かった。引き際を失った少女達の‘終電’をめぐる3つの物語

終電に忘れがたい物語はつきものだ。終電を逃してもよかった少女・終電で帰る彼を見送った少女・終電がないと嘘をついた少女の3人にまつわる話をしよう。別れ際に香りだけでもずっと覚えていてくれるよう願ったり、かけがえのない本に出合ったり、素敵なカフェで一緒に過ごしたり、きっと悪いことばかりではないのだ。

終電が今夜の行く末を左右する

終電が今夜の行く末を左右する

出典: snapmart.jp

終電には独特な雰囲気がひどく漂う。
それが「疲弊」なのか「哀愁」なのか分からないけれど、乗っている人の数だけ物語がある。

いや、終電に乗れなかった人、あえて乗らなかった人たちにだって、それはきっとあるだろう。
何にせよ、終電は今夜の行く末を左右する。

──いじらしく帰るにはまだ早いな
なんて自虐を帯びた考えが浮かび上がる。

「帰らなくちゃいけない」の建前と「帰りたくない」の本音が混ぜ合わさって、もはや何が本心なのか見分けがつかなくなった、愛すべき痛々しい感情。

引き際を失ってしまった、3人の少女達の終電をめぐる物語を少しだけ垣間見させてもらおう。

1:終電を逃してもよかった少女

1:終電を逃してもよかった少女

出典: snapmart.jp

──おそらく会うのは今夜が最後だ。

閉店時間を迎えたお店を追い出されて、外で呆然と立ち尽くす彼と私。決して短くなかった交際期間の整理をつけるのに帰るのはまだ早かった。

走ればまだ終電に間に合う。
ただ、終電を逃してしまいたいという気持ちが感情を塗りつぶしていった。

「ごめん、終電そろそろだよね。駅までの近道知ってるんだ、走れば間に合うかも」

もっと一緒にいたいと思っていたのは私だけなのか、それとも彼なりの優しさで帰してくれたのか今となってはもう分からない。

ただ、私は最後まで我儘を言えなかった。
お互いを好きなのに別れなければならない私達の別れ際は慌ただしかった。

名残惜しさを香りで残して

名残惜しさを香りで残して

見たり、聞いたり、触ったり、そんな私達の感覚の中で「香り」は記憶の中でも特に強く残るらしい。

もう会うことはなくなったとしても、彼の記憶の中から完全に立ち去ることはしたくなかった。ほろ苦い香りの香水を纏って、おさらばしよう。別れ際はどこか色っぽく。

マジョロマンティカ 373

商品

マジョロマンティカ 373

¥3,978

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今冬、新しく発売された浜辺美波さん監修の香水。焦がしシュガーとベリーの香りで、小花の香りがアクセントに。時間が経つごとに香りが変わっていくためその変化も楽しむことができそう。数量限定品なので早めのチェックを。

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2:終電で帰る彼を見送った少女

2:終電で帰る彼を見送った少女

出典: snapmart.jp

──今日は朝まで一緒に飲むはずだったのに。

「ごめん、電話だ」と席を立った彼。
酔っていたのにスマホの画面を盗み見する余裕はあったみたいで、彼女らしき子の名前が映っているのを確認してしまった。

胸を痛める権利なんてないくせに、一人前に嫌な予感がする。

出典: 17kg.shop

案の定、彼は帰らなくちゃいけなくなったみたいで、2人で駅に向かう。

「まだ電車あるから」なんて嘘をつきながら、終電で帰る彼を見送る。「ごめんね、また飲みなおそう」と謝る彼を直視することができない。

ばーか、私はもうとっくに終電なんてないよ。

おろしたてのワンピースが、ひどく重く感じる。終電ないから一緒にいてよ、なんて引き留められる関係性でもなかったことを痛感する。

夜まであいているカフェで読書

夜まであいているカフェで読書

どうせ私に帰る術はないのだから、たまたま夜遅くまであいていたカフェで一人、本でも読もうかと思う。

やるせない気持ちを抱えきれない夜は、誰かの言葉にすがりたくもなる。
「絶望するな、しかし生き急げ」や「愛とは、本人が振り絞ることのできる全力のこと」など、今だからこそスッと染み込む本を読んでみるのもいいかもしれない。

20代で得た知見

Credit rakuten books

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20代で得た知見

¥1,430

著者:F
出版社:KADOKAWA
人生において忘れがたい断片をかき集めた、各書店でも売り切れ続出の話題の一冊。将来や才能、恋愛など誰もが一度は行き詰まる場面ごとに分けられており、どこから読んでもきっと心を動かされるはず。

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3:終電がないと嘘をついた少女

3:終電がないと嘘をついた少女

出典: snapmart.jp

──どうしてもまだ一緒にいたかった。

子供みたいに熱中する彼に時間を忘れさせるのに、ビリヤードやダーツは丁度良かった。
確か、家が遠い彼の終電はとっくにないはずだ。

「やば!俺終電ないかも」と我に返る彼に、気遣う声をかけるものの、次なんて声をかけようかもう考えている。

「えっ私も終電ないんだけど!はしゃぎすぎちゃったね、始発まで一緒にいる?」

まだ終電が残っているのに、私もなかなか演技派だ。
そうでもして彼を引き留めたかったのだ。もう少しだけ一緒にいたかった、色々な話をしたかった、彼のことをもっと知りたかった。

「ありがとう、いいの?」なんて申し訳なさそうに感謝する彼の姿にチクッと罪悪感が芽生えるけれど、それを打ち消すほど嬉しくて仕方ない。

美味しいものでもご馳走しよう

美味しいものでもご馳走しよう

時間を知っていながら、それを本人に伝えなかった罪滅ぼしじゃないけれど、何か美味しいものでもご馳走するよ。

深夜の駐車場とかで食べるコンビニ飯も悪くないけれど、せっかくなら24時間あいているカフェが近くにあるから、そこに行こう。夜はまだ長い。いろんな話を飽きるまでしていたい。

異国情緒あふれるビストロカフェ『SAKURA CAFE(サクラカフェ)』は、24時間営業。世界の国の料理が楽しめる、味も抜群なオススメのお店。

店舗は池袋や神保町、浅草などいくつかあるため、場所を覚えておくといいかも。
※営業時間が変更している可能性があるため、事前に公式サイトでご確認ください。

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どれもかけがえのない物語

どれもかけがえのない物語

終電を逃してもよかったのに帰った少女、終電で帰る彼を見送りその場に残った少女、終電がないと嘘をついて一緒の時間を過ごした少女。

どの少女も引き際なんて失っていた。
ただどの物語も、かけがえのない彼女らだけの物語だ。

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MERY [メリー]|女の子の毎日をかわいく。