言ったもんがちの世界?
「え~、そんなことがあったの?」
噂話というのは実に残酷で、すぐに収束するどころか尾ひれをつけて広まっていく。
そして決まって、当事者よりも第三者の方が勝手に盛り上がってしまう。
事の発端は友だちとの些細な喧嘩だった。
LINEで言い争いになり、気付いたら相手にばかり味方がついていた。
友だちがこぼした愚痴は自然と皆に「あの子が悪い」という意識を植え付ける。
こんなことになるなら私も誰かに話しておけばよかったって思うけど、もう遅い。
世の中、言ったもん勝ち。
2人の間で起きた問題を、外野が片方の意見だけ聞いて判断する。
ここから筆者の友だちと筆者が実際に経験した2つのエピソードを紹介します。
episode1:友だち × 私
カレンダーを見て、ハッとする。
高校時代から仲の良いAちゃんの誕生日をすっかり忘れてしまっていた。
誕生日メッセージに「遅れてごめんね」と付け加えてLINEする。
5分後、彼女から来たメッセージに呆然とした。
「誕生日忘れるなんて、私はその程度の存在ってことだよね」
そんなつもりはなかったけれど、そう受け取られたなら仕方がない。
ひたすら謝っても、彼女が許してくれることはなく、近々遊びに行くはずだった予定もなくなった。
彼女のInstagramのストーリーズには連日、真っ黒背景に白文字が浮かぶ。
そのストーリーズを見た高校時代の共通の友だちは、Aちゃんの話を聞いて彼女の味方についたようだ。
―…私の話も、聞いてほしかったなぁ。
episode2:彼氏 × 私
ひょんなことから、彼氏の女友だちのBちゃんと喧嘩した。
腹の虫は治まらないけど、怒っていても仕方がないので少し冷静になる。
こういう時(彼の声が聞きたいなぁ…)なんて思っていると、彼から着信が。
いつもより冷たい「もしもし」の声に心臓がドキリとした直後、彼の言葉に耳を疑った。
「喧嘩したんだって?…Bに謝れよ」
どうやら私と喧嘩した直後、Bちゃんは彼に泣きながら電話をかけたらしい。
確かに私も悪いところはあるけれど、私の話も聞かずに「謝れ」なんて言う?
私の話に耳を傾けることすらしない彼に絶望しかけた瞬間、最後のとどめを食らった。
「どっちが悪いとかは知らないけど、向こうは泣いてたんだって!」
―…涙とか関係なく、最後まで話聞いてから判断してくれる?
!相談を受ける側の心得!
以上のエピソードのように皆さんも「なんでそっちの言い分ばっかり聞いて判断するの?」と思った経験、ありませんか?
そういう時こそ、少しでも冷静に話を聞いてくれる友だちが必要ですよね。
ここからは“相談を受ける立場”がどんなことに気を付けて相談を受けるべきかをお話します。
割り込まず、最後まで聞く
一番大事なのは相手の話に割り込まず、最後まで聞くこと。
途中で自分の話をしてしまったりするのはNGです!
「話を聞いてもらいたい」という相手の気持ちを尊重し、適当な相槌を打ちながら聞きましょう。
相手の話を否定をしない
また、相手の話を否定しないようにしましょう。
「でも」や「いや」などといった言葉で遮ってしまうのは避けましょう!
もし自分の言いたい意見があったとしても、話を聞き終わってからか相手に求められた場合に言うようにした方がいいかもしれませんね。
相手の気持ちに寄りそう
話を聞く時は、常に相手の気持ちに寄り添います。
ポイントは相手の立場になって考えることです!
自分が言われたら嫌だなぁと思うことは言わず、相手のために言葉を選ぶのがBESTです◎
他の誰かに言いふらさない
自分が受けた相談は他の誰かに言いふらさないようにしましょう。
もし自分が相談した内容が他の皆に知られていたら、嫌な気持ちになりますよね。
また、言いふらしてしまうことによって、自身の信頼を失う可能性もあります。
片方の意見を鵜吞みにしないこと!
相談を受ける時に気をつけたいのは“片方の意見を鵜吞みにしない”ということ(当事者が2人以上の場合)。
当事者が2人以上いれば、それぞれで違った視点や意見が出てくるはず。
本当はAの方が悪いかもしれないのに、Aから話を聞いたからBを悪者扱いしてしまうなんてことも。
出来るだけ両者の意見を聞いてあげましょう。
心に留めておきたい言葉
*虚堂懸鏡*
まず1つ目は「虚堂懸鏡(きょどうけんきょう)」という四字熟語です。
心をむなしくし、公平無私に見るたとえで、何かあった時でも忘れてはならない言葉ですね。
*両方聞いて下知をなせ*
2つ目は「両方聞いて下知をなせ」ということわざです。
両方の言い分をよく聞いたうえで争いを収めよう、といった教訓なんです。
自分の経験を無駄にしない
片方の意見だけ聞いて判断する、なんてしたくないしされたくない。
自分の経験を無駄にしないために、相談を受ける側になったらほんの少しの優しさと冷静さを持って。