幾原邦彦監督って?
日本のアニメーション監督、幾原邦彦(いくはらくにひこ)監督をご存知ですか?
『劇場版美少女戦士セーラームーンR』『少女革命ウテナ』『輪るピングドラム』などの監督を務め、他にも多くの作品に携わっている方なんです。
その独特の世界観やストーリーに、多くのファンが心を掴まれています。
アニメ好きもそうでない方もきっと見たくなる、彼の魅力を徹底解剖していきます!
イクニ作品の魅力とは
引き込まれそうな映像の美しさ
幾原監督の作品はどれも映像が美しく、その世界観に引き込まれてしまいます。
彼の作品には、日常とは一線を画した独特な空間が度々登場します。
それらのつくり込みも細かく、なんだかリアリティすら感じる、不思議で美しい映像の作品が多い印象です。
独特な雰囲気をつくり出す演出技法
幾原監督の作品では、突然場面が切り替わったり時間軸がバラバラだったり、演出が独特なんです。
ミュージカルのように歌うシーンがあるなど、演劇を観ている感覚に近いかも。
一度見れば、その不思議な感覚が味わえるはず。
メッセージの隠された難解なストーリー
複雑で独特な演出によって、ストーリーもとっても難解。
しかし、その裏には鮮明なメッセージがあり、だんだんそれが明らかになっていく。
完全に理解するのは難しいですが、それぞれで解釈を楽しめるのも彼の作品の魅力です。
ただ見るだけではなく、じっくり考察したい方にもオススメです。
そんな幾原監督の手がけた作品を4つご紹介します。
__いつか一緒に輝いて
『少女革命ウテナ』
まずご紹介するのは『少女革命ウテナ』。
1997年に放送されたアニメです。
主人公の天上ウテナは、幼い頃に王子様に助けられ、それ以来王子様になりたいと願うようになります。
入学した学校での姫宮アンシーとの出会いをキッカケに、「薔薇の花嫁」を巡る「決闘」に参加することに。
決闘の背景にあるものは何か、その真実に迫っていくストーリーです。
キーワードは「革命」
この作品では「革命」というキーワードが登場します。
アンシーに定められた残酷な運命を変えようと、ウテナは「革命」を唱え戦います。
放送された1997年にあった、世紀末特有の何かが終わり変わるというムードを反映しているのだそう。
変化を求めて戦おうとする私たちに、勇気を与えてくれる作品です。
少女革命ウテナ Blu-ray BOX 上巻【初回限定生産】
¥20,604
1997年放送のテレビアニメシリーズ『少女革命ウテナ』のBlu-ray BOXの上巻です。
全39話のうち1〜24話の「生徒会編」「黒薔薇編」を収録しています。
薔薇の花が多く登場する美しい映像や複雑なストーリーにも必見です。
__余命わずかな少女と知られざる過去
『輪るピングドラム』
続いてご紹介するのは『輪(まわ)るピングドラム』。
2011年に放送されたアニメです。
余命わずかな少女・陽毬(ひまり)の望みを叶えようと水族館に連れて行った兄・冠葉(かんば)と晶馬(しょうま)。
そこで見つけたペンギンの帽子を被った陽毬は、別人格に突然変身し、兄たちに指令を与えます。
延命した陽毬を救うべく指令に従う兄たち、しかしそれは彼らの過去に繋がっていく…。
キーワードは「生存戦略」
ペンギンの帽子を被って変身した陽毬が唱える「生存戦略」。
一見ポップなコメディ的なストーリーかと思いきや、物語は予想外にもシリアスな方向へ進んでいきます。
謎解きをしていくような感覚で、ぶっ通しで見てしまいたくなるほど。
家族とは、愛とは、と考えさせられる作品です。
「輪るピングドラム」 Blu-ray BOX【限定版】
¥37,800
2011年放送のアニメシリーズ『輪るピングドラム』のBlu-ray BOX。
全24話が収録されています。
キャラクター原案・星野リリィ先生の描き下ろしイラストも素敵。
__その透明な嵐に混じらず、見つけ出すんだ
『ユリ熊嵐』
2015年に放送されたアニメ『ユリ熊嵐(くまあらし)』。
人間とクマが憎み合う世界で両者を隔てる「断絶の壁」。
人間側の世界で、主人公の紅羽(くれは)が通う学校に銀子とるるが転校してくるが、その二人の正体は人食クマでした。
様々な困難を超え、人間とクマとの共存を目指していきます。
キーワードは「透明な嵐」
この作品のキーワードは「透明な嵐」。
周りと同調して個性を失う「透明な嵐」と争う主人公の紅羽。
そこから外れたものを「排除」しようとする動きは、時代感覚を反映したもの。
そのような中でも、異質な存在同士である人間とクマの相互理解は、私たちが目指すべき姿なのかもしれません。
ユリ熊嵐 Blu-ray BOX
¥15,169
2015年放送のアニメ『ユリ熊嵐』のBlu-ray BOX。
全12話なので、一気見しやすい長さです。
可愛い女の子たちがたくさん登場するので、MERY女子のみなさんも楽しめそう。
__手放すな、欲望は君の命だ
『さらざんまい』
最後にご紹介するのは2019年放送の『さらざんまい』。
舞台は浅草。
主人公の一稀(かずき)は、カッパのような生き物ケッピと出会い、転校生の悠(とおい)、燕太(えんた)と共にカッパに変身させられます。
ゾンビの「尻子玉」を抜き取ることを命じられますが、そこで3人に課せられたあるミッションとは…。
キーワードは「つながり」
この物語では「つながり」がキーワードとして登場します。
主人公たちは、皆それぞれ誰かとの「つながり」を求めています。
しかし「つながり」にはリスクや困難が生じることもあり、どのように受け入れるかが物語のネックになります。
SNSなどでコミュニケーションが変容していく現代社会に一石を投ずる作品です。
さらざんまい 1 [Blu-ray]
¥6,980
2019年4月から放送されたアニメ『さらざんまい』のBlu-ray 第1巻。
第1話の他、ブックレットなどの特典も封入されています。
筆者の意見ですが、幾原監督の中でも割とポップでわかりやすいと思うので初心者にもオススメです。
こんなアニメは初めてかも
文字では書き表せないほど、どれも魅力的な作品です。
何かを考えさせられる、そしてアニメの見方もきっと変わるはず。
dアニメストアでどの作品も配信されています。
ぜひチェックしてみて。