「ここだけの話なんだけど…」
「ここだけの話」「内緒の話」「秘密の話」…
小さい頃からいっぱい聞いてきた言葉だった。
そして何度、この言葉たちに悩まされ、傷付いてきただろう。
「ここだけ」の範囲はだんだん広がって、「内緒」は皆が知っていて、「秘密」は守られることがなくなった。
大人になったら、内緒も秘密も増えた。その内緒や秘密は、人との信頼関係に関わってくる。
この記事では、人の秘密を守らなくちゃならない理由を紹介します。
:1:「私」の話
私はおしゃべりが好きだ。
いろんな人と話して、楽しく笑って、感情を共有する。
おしゃべりをしている時間が一番楽しい!
ある日、友達のMちゃんが私にMちゃんの好きな人の話をしてくれた。
Mちゃんが自分の恋の話をしてくれるのは初めてだ。
話の最後に付け加えられたあの言葉。
「絶対、秘密だからね!」と、二人で約束をした。
Mちゃんの秘密を知ってしまった。
私とMちゃん以外は誰も知らない、秘密を。
次の日の朝、下駄箱でSちゃんに会った。
Sちゃんは男の子と仲が良いから、もしかしたらMちゃんの恋を後押ししてくれるかもしれない!
そう思って、教室に行くまでの間、SちゃんにMちゃんから聞いた秘密の話をした。
もちろん、「秘密の話だから、絶対、秘密にしてね!」と加えて。
だけど、その話は瞬く間に教室中に広まって、Mちゃんの耳にも届いた。
Mちゃんは怒ってしまって、口をきいてくれない。
私、どうしたらいいんだろう…?
あなたは誰が悪いと思う?
A:秘密をSちゃんに話してしまった「私」
B:皆にばらしたSちゃん
C:「私」に秘密を伝えたMちゃん
正解は、AとB。
友達の「私」に秘密を話したMちゃんは、きっと「私」のことを信用していたから話したんだと思います。
しかし、その約束を破ってしまった「私」。
もし、皆さんがMちゃんの立場だったら、「私」のことを許せないはずです。
もっとも悪いのは、約束を守れなかった「私」ですが、皆に話してしまったSちゃんも悪いです。
「私」もMちゃんと同じように、Sちゃんのことを信用して話をしたと思われます。
それを裏切り、クラスメイト全員に秘密を話してしまったSちゃん。
筆者が「私」の立場だったら、Mちゃんへの罪悪感とSちゃんに対する絶望の気持ちでいっぱいになってしまうかもしれません。
:2:お姉ちゃんの話
私は、Mちゃんにしてしまったことを後悔して、気持ちがずっと沈んでいた。
そんな様子を見かねたのか、お姉ちゃんが私にとある話をしてくれた。
「正直、内緒話は盛り上がるよね。
例えば、修学旅行の夜、自分たちの恋愛事情を打ち明けたりしたこともあるでしょ?
あの時、誰かの秘密を知ってしまったドキドキと自分の話をする番のドキドキは、きっと忘れることはないと思う。
でも、その盛り上がりは一瞬に過ぎない…ってことも忘れてはいけないんだ。
つまり、その盛り上がりに身を任せて自分の本当に大事な話をしてしまうのは、控えたほうがいいよ。」
「そして、内緒話をされると、特別感と同時に信頼を感じるじゃない?
だから、「大事な話を話してくれるのは、自分を信頼してくれているのだ」という自覚を持たないとダメ。
そうでないと、うっかり誰かに話してしまって周りから「口が軽い」認定が下されてしまうの。」
「人の秘密を話してしまうと、「口が軽い」「信頼できない」といったイメージを持たれることになっちゃう。
それは、今まで築き上げてきた信頼関係を簡単に壊すし、もしくはこれから築き上げる予定だった信頼関係がマイナスからのスタートになるんだ。
自分のうっかりで信頼関係がなくなるのは、なんだかもったいない気がしない?」
確かに、と思った。
私はMちゃんからの信用をなくしてしまった。
これからもきっと、信用してくれることはない。
もし、これから人の秘密を知ったとしても、それは心に留めておかないといけないんだ。
ちょっと考えればわかること、どうしてわからなかったんだろう…。
あなたも思い返してみて
皆さんもこういった経験をしたことがあるかもしれません。
秘密の共有ってちょっとドキドキしてしまう、なんだか特別なものですよね。
もし、今までに人の秘密を誰かに話してしまったことがある人へ。
あなたが知らない間にどんどんどんどん、信頼を失ってしまっているかもしれません。
だから、これからは秘密を心に留めておく努力をしましょう。
自身の好奇心やうっかりに負けないようにしてみてください。
何かアクションを起こす前に、自分がその人の立場になって考えてみるのが効果的。
自分がされたら嫌だな、と思うことは人にもしてはいけません。
信頼を失うのは簡単だけど、信頼を得るのは大変です。
秘密の重要性
人の秘密は、守らなくちゃならない。
だって、信頼を失うから、もう、信じてもらえなくなるから。